CAST「ALLCHANGE」

キャストというバンドについては全然知りませんでした。発売が1995年。イギリスなので、いわゆるブリットポップというオアシスVSブラーで注目されたムーブメントの中で出てきた新人バンドなのかと思って、手に取ったという次第。ようは期待はまったくしてなかったわけだけど、これがまた良かった。

1曲目のALRIGHTから丁寧な音作りで美しいメロディー。ボーカルの声も曲に合っている。「まるでザ・ラーズみたいだな。というかラーズのフォロワーバンドかな」と思ったくらいに、ラーズ節。ラーズは好きなので、このバンドも一気に好きになったくらい。

調べてみたらラーズっぽいのには理由があった。国内盤だったのでライナーノーツを読んだら、キャストのボーカルであるジョン・パワーはもともとラーズの中心メンバーだったというのだ。ラーズではリー・メイヴァースしか知らんかったもんで…。中心メンバーが新たなバンドで自分のやりたい事を発揮したんだから、そりゃあラーズっぽくなるでしょう。好きな音楽やりたい音楽は変わっていないのだろうし。

ちなみにライナーノーツを担当しているのはかつて存在した音楽雑誌スヌーザー編集長の田中宗一郎氏。こちらもしっかりとタナソー節でいてくれている。

捨て曲なし。すんなり通しで聞けるから曲順もいいのだろう。一番好きなのは⑨WALKAWAY。バラードというほどではないミドルテンポの曲。⑪HOUR GLASSはボーナストラックだけど、流れを妨げていない。⑬TWO OF A KINDはラーズの1stアルバムの最終曲「ルッキンググラス」を思い出してしまった。曲終わりに再生を続けると隠しトラックへ。10分以上早送りしてようやく曲スタート。まあこれはなくていいかな。

ブリットポップというムーブメントはたくさんのバンドを生み出したけど、消えていったバンドも多かった。リアルタイムで聞く分にはよく思えても、後から聞くとパッとしないなんてことはザラ。キャストはラーズからの流れであることを思えば、ブリットポップとは別枠。ただ、時期がブリットポップ期だっただけに、その中のひとつのバンドとして消化されてしまったのかもしれない。ブリットポップ終焉とともにバンドも崩壊している(のちに再結成している)。

アコースティックな手触りのする美メロを堪能したいときはこの1枚って感じです。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年3月か4月。日本盤で帯つき。傷なし。このCDは必ずってほどではないが、280円コーナーで見る機会が多い印象。

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