イギー・ポップ「nude&rude」

1996年発売のベストアルバム。ストゥージーズからソロへと続いていく。ほとんどの人がストゥージーズ時代のイギーを想定して聴き始めるんじゃなかろうか。その期待に通りに最序盤は進む。③サーチ&デストロイは鉄板だ。

空気感が変わるのが⑥ファンタイムから。ニューウェーブっぽくなる。デヴィット・ボウイ臭もする。というか、クレジットにボウイの名前もある。共作なんだな。ここから4曲が2人の共作になっている。1970年代にイギーは薬物を乱用しまくって、どうにもならない状態だったという。そんな状況からイギーを救ったのがボウイだった。だからイギーはめちゃくちゃボウイに感謝している。

共作曲はイギーらしさよりもボウイらしさの方が大きい。最初に聞いたときはう~んと思ったが、何度もこのアルバムを通して聴いてみて、いい曲じゃないかと思えてきた。

60年代、70年代に活躍したミュージシャンはその当時がベストで、その後はクオリティが下がるばかりという偏見をどうしても持ちがち。イギーもそうかなと思っていたけど、アルバム後半はパワフルだ。ストゥージーズ時代の激しいロックンロールとは違う、洗練された荒々しさという矛盾した言い方をしてしまいそうなほどノリがいい。⑩パッセンジャーからがハイライト。

こうしてみると捨て曲がない。通しで心地よく聴ける。ただ、ボウイのおかげでイギーがあるとはいえ、ボウイ色の強い曲は浮いているとは思う。

【購入データ】購入店舗=兵庫県西宮北口店。購入日=2018年8月。

 

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