山中さわお「ディスチャージ」

ザ・ピロウズのボーカルのソロアルバム。ソロでやっていることを知らなかった。発売は2010年。初回限定盤でステッカーやDVDが付いてきた。

基本的にはピロウズの系統だ。とはいえ、ピロウズはもっと音に厚みがあったが、ソロでは軽めになっている。軽めといってもネガティブな意味ではなく、リラックスしつつ内省的な印象。大きく違うのは歌詞が英語であること。その点についてはなぜ?と思うが、そうしたかったんだろうから、もうしようがない。

④エンジェルの素朴さが好き。⑤パープル ムーンライトでは「今夜はロックを聴かないよ」とつぶやく。このアルバムを作ったときの心境がそうだったのかもしれない。ロックバンドだからといって、普段からロックばかりを聴いているわけでもない。若いときならともかく、年を取るとクラシックでもジャズでもワールドミュージックでもなんでもいけるようになってくるものだ。良くも悪くもこだわりがなくなっちゃうというか。だから、年を取ってもなお、ロックバンドでロックをやり続けるというのはすごいことでもある。芯がある。

このアルバムも基調はロックである。しかし、きっと肩の力をここでは抜きたかったんじゃなかろうか。たまに聴きたくなる1枚になりそう。

【購入データ】購入店舗=飯倉店。購入日=2018年5月。メルカリでは450円から1300円!まで。

 

トラヴィス「オード・トゥ・ジェイ・スミス」

なんか近所の穏やかなお兄さんが急にあらぶってみせたみたいだ。トラヴィスといえば美メロでちょっと暗さのある穏やかギターロックの印象だった。ところがこの2008年発売のアルバムはちょっと違う。

ライブ感があるというか、音がゴツゴツしている。これまでは線が細かったが、そんな印象はこのアルバムにはない。きっとリアルタイムで聴いていたファンは驚いたんじゃないか。2作前のアルバム、12メモリーズまで新品を買っていた自分も今、驚いている。

改めてトラヴィスを調べてみると、思わぬ評価を受けていたみたいだ。トラヴィスやレディオヘッドがロックが内省的なものになっていくのを助長した。その反動がストロークスのようなガレージロック・リバイバルに繋がっていった…。僕の10代がまさにそのころだったけど、そんなんだったっけ?

音は骨太になったけど、内省的なところはまだ残っている。デビューから順番に聴いていくのがいい。

【購入データ】購入店舗=天神店? 購入日=2018年6月。

グレン・ミラー「GREATEST JAZZ」

グレン・ミラーという人については何も知らなかった。ビッグ・バンドを率いていたようだ。よく分からないけどおそらくこれはベスト盤なのだろう。①イン・ザ・ムードという曲は誰もが耳にしたことがあるはず。CMにテレビ番組、ゲームにも使われていたという。もともとはジョー・ガーランドという人が作曲したのだが、グレン・ミラー楽団の演奏で1939年、ヒットした。

活動期間は1920年代から40年代。44年で40歳のときに死んでしまった。アメリカのトロンボーン奏者で、スウィング・ジャズの時代を生きていた。とにかく聴いていて楽しくなってくる。

古い音源なので音質はよくないが、気になるレベルではない。それよりも気になるのは、このCDの輸入元として書いてあるエコー・インダストリー株式会社だ。ネットで検索してみると…たまに駅で売っている謎のCDみたいなものらしい。著作隣接権の保護期間が切れていているから許可なくCDとして出せるそう。ただ著作権は保護されている状態なんだとか。

海賊盤ではないけど、オフィシャルとも言いがたいものなのだろう。もちろん合法のシロモノではある。

背景はともかく音楽自体はすばらしいものだ。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年6月。

ストーン・ローゼズ「ザ・ベリー・ベスト・オブ・ザ・ストーン・ローゼズ」」

オリジナルアルバムは2枚しか出さなかったストーン・ローゼズのベストアルバム。2002年発売。ポストカード付き。基本的には1st期からで2ndの曲は少なめ。うまくまとまっている。

①I wanna be adoredはオリジナルアルバムと同じくイントロが長いバージョン。短いバージョンもあるけど、やっぱ長い方がいい。3曲目ten storey love song。waterfall、made of stoneときてlove spreadsがくる。曲順を決めるに当たっては2nd曲をどこに置くかで迷ったんじゃないか。キラキラしたインディーロックからハードロックになっちゃったわけだから、雰囲気がそもそも違う。デジタルリマスターされていて、特に1st期の曲は音がくっきりはっきりしている印象だ。⑧サリー・シナモンは新鮮でよかった。⑨フールズ・ゴールドは長いアレンジ。

ストーン・ローゼズを知らない人には間違いなくオススメ。ただすでにオリジナルアルバムを持っているという人にはほかのベストアルバムの方がいいかもしれない。過去のベストアルバムにはB面曲がいっぱい入っているのがあって、そのB面曲のクオリティが高いのだ。ストーン・ローゼズのアルバムは全部いいとも言える(ガレージ・フラワーというメンバー未許可のアルバムは微妙だが)。このベストのよさはリマスターされているのと、まとまっているという点かな。安心して聴ける。

そういえば再結成していたはずだがどうなったのか。新曲も買っていたんだが、結局ニューアルバムは出ず。残念だ。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年6月。このベストアルバムはたまに見ないでもない。メルカリでは500円が多かった。