ディープ・パープル「バーン」

①バーンが有名。とにかくすばらしい。6分もあるのが信じられないほど、集中して聞いていられる。2分50秒あたりなんて最高じゃないか。

バンドとしては第三期にあたる。ボーカルにデイヴィッド・カヴァーデール、ベースにグレン。ヒューズが参加した。こういうメンバー変更については詳しくない。とにもかくにも①は最高とだけはいえる。

リッチー・ブラックモアのギターとジョン。ロードのキーボードがお互いを補強し合いながら個性を出している。ただのハードロックバンドじゃない。音楽として高レベルなものだ。

1曲が4分以上ある曲が大半なので、少し冗長に感じるかもしれない。でも大丈夫。勢いもあって、グイグイと引っ張られるように聴けてしまう。発売は1974年だそうだ。きっと多くの若者が熱狂しただろう。④sail awayのブルージーな感じもいい。⑤you fool no oneはハードロックの枠に収まらない。⑧A200はデジタルロックかと思った。

まずは①を聴いてみてほしい。それだけで間違いないアルバムだって分かるはずだ。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年6月。あまり見ない。

 

竹内まりや「Quiet Life」

①家に帰ろうがすばらしい。この1曲でお得感がある。竹内まりやと山下達郎にハズレはないので、280円コーナーで見つけたら買っておくべし。発売は1992年。

日本のカレン・カーペンターと言われているらしい。カーペンターズと比べてどうかというのはともかく、メロディーも歌も秀逸だ。歌詞は青春を通り過ぎた大人のもの。今どきCDを買うのはオジサン世代が多いことを鑑みれば、竹内まりやとかその辺を聴くとぴったりくるんじゃないか。というか10代、20代のころに竹内まりやは聴く気にならなかったことを思うと、やはり30代以上が聴く音楽なんだろう。

最近、海外の日本マニアの間で竹内まりやの「プラスティックラブ」がはやっていた。シティポップが海外からみると珍しいようだ。日本ではむしろダサい感じすらあったが、確かに偏見をなくして聴くといい音楽なんだな。こう思えるのもある程度年齢を重ねる必要があるだろう。リアルタイムならともかく、そうでないのに竹内まりやとか山下達郎のファンとかいわれると、ギョッとしてしまう。もっと子どもの音楽jを聴けよと。ささくれだった音楽を聴けよと。まあ、余計なお世話なんだが。音だけならまだしも、歌詞があるから大人にならないとフィットしないと思う。

とにもかくにも買ってよかったと心から思える1枚だ。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年6月。280円コーナーに竹内まりやコーナーはあるけど、実際にCDがあることは少ない。メルカリは300円から。

 

 

モトリークルー「ドクターフィールグッド」

ドクターフィールグッドと聞くとパブロックバンドを思い出すけど、関係ない。モトリークルーのこの曲はかっこいい。5分弱あるとは思えないほどあっという間に終わる。

1989年発売。日本盤。ハードロックのアルバムとしては教科書的な扱いをされているんじゃないか。それほど有名な1枚だ。とにかくギターが元気に跳ね回っている。ボーカルもノリノリだ。それらを支えるベースとドラムは言わずもがな。

ハードロックバンドはバラードもいける。⑥without youはなかなかの出来。⑪time for changeはビーズのアローンの元曲とも言われているだけに、すばらしい。先にアローンを知っていたけど、元曲でいいやと思うくらい、やっぱオリジナルにはパワーがある。ビーズもいいけどね。

パーティーロックとも呼ばれるみたいだけど、確かにアゲアゲな曲ばかりだ。バラードはいいアクセントになっている。決して気だるいとか虚無感に襲われることはない。とにかくうっ憤を発散させて明日へのパワーをくれる。ハードロックはバカにされがちだけど、人々に力を与えるという点では役割をしっかり果たしている。このアルバムが名盤と評価されているのも納得だ。

ハードロックが嫌いというのでないなら、このCDを280円コーナーで見つけたらとりあえず買っておくべき。損はないアルバムだ。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年6月。

アークティック・モンキーズ「ハムバグ」

2009年発売のサードアルバム。日本盤。デビューアルバムから注目され、ロンドンオリンピックのときには開会式で歌うほどイギリスではプッシュされていたバンドだ。あの開会式はイギリスが誇りとしているロックの歴史を振り返る場面があった。それを踏まえた上であんな大役を任せられるのだから、国民的バンドなのだろう。

デビューアルバムのような勢いはないが、アクモンらしいと思わせる部分は残っている。パッケージの中面に砂漠っぽい写真があるけれど、全体的に乾いた音が鳴っている。夕暮れの砂漠で風がヒューヒューと吹いている。そんなイメージ。

このアルバムではヴァース、コーラス、ヴァースという展開ではない、ちょっと複雑なものにチャレンジしている印象。その分、ポップさは失われるが、聴かせるアルバムになっている。入門編のデビューアルバムを聴いて気に入ったのなら、このアルバムに取り掛かるのもいいんじゃないか。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2108年6月。デビューアルバムは280円コーナーでみることが多い。メルカリでは580円から。

 

ザ・コブラツイスターズ「蛇の道」

2003年発売のベストアルバム。このバンドは1999年に「運命船サラバ号出発」でデビュー。この曲を当時聴いたことがあって、いい曲だなと思ってた。田舎に住んでいたけど、市街地を流れる川の河川敷で何組かのバンドが出てくるイベントがあって、そこにこのバンドが登場したのを見に行ったね。

とても男くさい。世紀末のあのころはどこか醒めた態度がはびこりがちな時期でもあったけど、このバンドは曲のタイトルも音も暑苦しい。それがいいわけだ。

①運命船サラバ号出発は飛びぬけていい曲。彼と彼女を対比させ、さらに自分の立ち位置を模索する。②夢の旅人、③サクラサクはどこかで聴いたことあるような懐かしいメロディー。ロックや音楽は若い人が夢中になるものだけど、年とってからの方がグッとくる歌詞とメロディーはある。②は特にそう感じる。今さら気付いても遅すぎるかもしれないけど。

全16曲。70分以上もある。聴き応えはたっぷり。ウィキペディアをチェックして驚いたけど、シングルの多くがCMやテレビ番組のタイアップがついている。メチャクチャ推されていたバンドだったんだなあ。何かどこか歯車がぴたっと合うところがあれば、大きくブレイクしていた気がする。ちょっとだけタイミングがずれてしまったんだろうな。

オッサンになった今だからこそ、若い人に聴いてほしいと思える1枚だ。ちょっとセンチメンタルな気分になる。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年2月。メルカリでも300円。

ポール・ウェラー「22ドリームス」

ポール・ウェラーのアルバムは280円コーナーでよく見る。必ずあるわけではないが、ちょくちょく入荷されるイメージ。気がついたらかなり集まっていた。

もともとポール・ウェラーのソロにいい印象はなかった。ソロとしての出世作である「スタンリー・ロード」を聴いたときにかなりルーズなロックだと思ったのだ。ダラっとしているというか。ザ・ジャム時代と比べて、モヤモヤするなあって感じていた。ちなみに現在、このスタンリー・ロードも280円で買える。

で、この22ドリームズなんだか、ジャケットがさわやかサイケって感じ。真ん中には鯉のぼりがある。日本好きだっけ? それはともかく、全21曲が夢見心地なザクザクっとしたギターミュージックでつづられる。ジャケットの印象は間違っていない。

ミュージシャンがすごく充実していることがこのアルバムからうかがえる。すごく楽しそうで、のびのびと音楽を作っている。ザ・ジャム時代のポール・ウェラーを求めても、ここにはいない。年相応のロックンロールがここにはある。

全21曲が若干間延びしているのは間違いないが、安心して聴ける。ソロ作はたくさんあれど、かなり上位といっていい。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=5月。ポール・ウェラーのCDはよく280円コーナーにある。メルカリでは300円から2000円超えるもまで。

デヴィット・ボウイ「アワーズ」

デヴィット・ボウイをこのアルバムで評価するのは間違っているかもしれない。2016年1月に亡くなってから、もう2年も過ぎていた。つい最近だと思っていたのに。そんな彼のベストはやっぱりジギー・スターダストになるんだろう。1999年に出たこのアルバムがいくら280円でお得だからってボウイのベストアルバムだなんて言わないし、言えない。

日本盤にはザ・イエローモンキーの吉井和哉によるコメントもついている。吉井が洋楽ファンの間で有名になったのはレディオヘッドのokコンピューターのライナーノーツではないか。確か「対バンしようぜ」って内容だったと思う。さすがにボウイ相手に対バンを望んだりはしていない。ファンとしての思いがつづられている。

ただ吉井のようにベタボメするようなアルバムではない。ボウイの声は枯れている。ずっと追いかけているリスナーなら、この声を渋みとして受け入れられるのだろう。聴かせる音楽であって、躍らせる音楽ではない。⑤セブンの優しいボーカルが好き。

全体的にもっさりしているのをよしとするかどうかで評価が分かれそうだ。これベテランの妙と思うか、年老いたとみるか。⑦プリティシングス・アー・ゴーイング・トゥ・ヘルを聴いて、いいと思えばこのアルバム全体に満足いくはず。ダメなら合わないと判断していい。

【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。ボウイのアルバムはあまり見ないかな。

スーパーカー「ジャンプ・アップ」

1999年3月発売。初回限定スペシャルパッケージ。シングル「マイガール」収録。のちにエレクトロニカに接近するスーパーカーだけど、この時期はまだギターロック。

倦怠感というか気だるい感じが漂う。スーパーカーがオリコン上位をにぎわすバンドにならなかったのは、この倦怠感が原因だろう。例えばミスター・チルドレンは倦怠感を歌う曲はあっても、倦怠感を表現しているバンドじゃない。「前に向かって進め」的なバンドだ。だからこそ大衆性を獲得し、売れっ子バンドになっているんじゃないか。

んで、スーパーカーは音や声に倦怠感がある。これはロックンロールにはとってもいいことだ。だけど、ビッグヒットを生み出すことはない音でもある…たぶん。まあ、そんなことはどうでもいいとして、このバンドがいいことには変わりない。十分に成功した部類だし。

全11曲。起伏はない。ベストな1曲があるというより、流れで全曲を聴きたい。のちのエレクトロニカ接近の萌芽も見られる。午後にのんびり聴きたい1枚だ。

【購入データ】購入店舗=福岡長住店。購入日=2018年5月。280円コーナーでたまに見る。

トーキョー・ナンバーワン・ソウル・セット「9 9/9」

中学生か高校生くらいのころ、夜のNHK-FMでミュージックスクエアという番組があって、よく聴いていた。ブルーハーツの解散発表も聴いていた。この番組はヒットチャート上位をにぎわす曲だけでなく、結構幅広く紹介していたので、お金のない学生にはいろんな邦楽を知るいいきっかけになっていたと思う。

トーキョー・ナンバーワン・ソウル・セットもまたよく紹介されていた。ヒップホップなんだけど、独特。語りに近いが、語りと言い切るには御幣がある。万人受けはしないが、コアなファンがいそう。とにかく個性が強かった。

1999年発売。サードアルバム。③先人達の夢は不穏なムードをかもし出していて、動悸が早くなりそう。④キーワードは歌モノっぽくて聴きやすいんじゃないか。⑥サンデイはシングルにもなった代表曲。朝の都会という感じ。⑨夜明け前も不穏だな。

聴いていて全体的に焦燥感に駆られるというか、いてもたってもいられない気持ちになる。世紀末はこんな気分だったんだろうか。そこが病みつきになりそう。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年2月。280円コーナーでたまに見る。

フー・ファイターズ「ワン・バイ・ワン」

元ニルヴァーナが率いるバンドというのは分かっていたけど、今までまったく聴いてこなかった。泥臭いUSロックをやっているという勝手なイメージを持って敬遠していたのだ。見た目の濃さが原因だろう。

発売は2002年。輸入盤。ボーナスディスク付きのスペシャルエディション。聴いてみると思ったより泥臭くない。洗練されているとまではいえないが、まとまった演奏をしている。ひねくれているところはなくストレート。③have it allは美しいメロディーを持つ良曲。激しい曲もあれば、ミディアムテンポもあり。バランスはある。

全11曲でアルバムとして統一感を感じる。楽器と歌が一定のトーンに保たれているからかな。

ついでにボーナスディスクもチェック。B面曲とライブ曲の全7曲。②シスター・ヨーロッパがサイケ色があって良曲。というかこのバンドとは違う雰囲気がある。それよりもどこかで聴いたことがある。念のためネットで調べると…イギリスのポストパンクバンド、サイケデリック・ファーズのカバーだった。一時期、聴いていたのでこの曲も耳にしていたんだろう。③ダニー・セイズはラモーンズのカバー。④ライフ・オブ・イリュージョンはジョー・ウォルシュのカバー。どれもカバー曲は原曲に近く、自分たちの色をそんなに出していない。

⑤⑥⑦はライブ曲。⑥モンキーレンチが代表曲なのかな。同じ280円ならボーナスディスク付きを買った方が楽しめるはず。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年4月。フー・ファイターズのCDは280円コーナーで割りと見る。メルカリでみるとボーナスディスクがあるかはわからないけど、400円から700円くらい。