ライ・クーダー&キューバン・ミュージシャンズ「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」

1997年発売の有名アルバム。これをきっかけにワールドミュージックへの注目度が上がったんじゃなかったかな。フィーチャーされているのはキューバの音楽だ。

②を聴いていると砂浜が思い浮かぶ。砂浜にある木でできた小屋で演奏しているイメージ。食事してたら地元の音楽家が演奏しだしたみたいな。多くの曲がきっと庶民の身近で鳴っていた音楽なんじゃないかと思わせる。

曲が進むにつれて、シリアスな側面も出てくる。⑨は暗い部屋で一心不乱に踊っているみたい。ムシムシとして汗が飛び散る。カンデーラという曲名で火という意味みたい。同じリズムが繰り返されて、段々と気持ちが一点に集中していき無心になっていく。突然終わったと思いきや、⑩では一転して穏やかな曲になる。キューバ音楽、結構懐が深い。

世界にはいろんな種類の音楽がある。このアルバムのような有名CDは入門に最適だ。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年6月。

ハロウィン「ザ・ベスト ザ・レスト ザ・レア」

ハロウィンの時期なのでハロウィンを買ってみた。ドイツ出身のメタルバンドで30年以上の活動歴がある。その間にメンバーチェンジはたくさん行われている。聴くのは初めて。だからベストアルバムを購入。1991年発売で、ジャケットはカボチャ。

①I want outから超ポップ。これだけ美メロならこのバンドは日本で相当受けたんじゃないかと思わせる。③フューチャーワールドはかっこいい。⑦ハロウィンは13分に及ぶ大作。ダレがない。10分から11分あたりが好き。

テンポが速く、重たくて鈍いというところが少しもない。この重たくないという点がとてもいい。

⑧livin aint no crimeはとても明るい曲調。⑪savageは洗練されている印象。⑬keeper of the seven keysがまた13分の大作。ゆっくりとした始まりだが、段々とハードに変わっていく。こういう曲の展開はどういう発想でどういう話し合いをして作っているんだろうか。とにかくすごいなあとうっとりしてしまう。

初めてのハロウィン体験だったけど十分に楽しめた。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年10月。

ジ・エナミー「ミュージック・フォー・ザ・ピープル」

2007年デビューのイギリスのバンドのセカンドアルバム。発売は2009年。日本盤でボーナストラックが4曲もある。CDエクストラでビデオクリップも1曲ある。

①エレファントソングの導入は壮大。厳かでこのアルバムのムードを決定付けている。②ノータイム・フォー・ティアーズはシングル曲。このバンドはオーソドックスなギターロックではなくて、カサビアンみたく踊れるロックを志向しているようだ。アレンジは狭い会場よりも広い会場でシンガロングされることを期待しているかのよう。

③から数曲はちょっとだけ壮大さが抑え目になる。美しいメロディーでしっとり歌い上げる。⑤ラストグッバイは一瞬だけブラーのユニバーサルがちらついた。⑥ネイション・オブ・チェックアウト・ガールズにはパルプのコモンピープルっぽいところも。⑧ドント・ブレイク・ザ・レッドテープはザ・クラッシュのロンドンコーリングだ。このバンドのCDを聴くのはこれが初めてだが、UKロックの系譜でもオアシスのような労働者階級から出たバンドではなく、中流階級的な雰囲気がある。

歌詞を読んでみると、日々を生きる中での怒りや失望がつづられている。政治や官僚といった権力批判が多く、その姿勢は労働者階級のそれだ。ただ、労働者階級で成功したバンド・オアシスはあからさまな権力批判はそんなになかった。ジ・エネミーの歌詞は労働者階級というのは知的に過ぎる気がする。そういう点ではザ・クラッシュを目指していたのかもしれない。

2016年に解散したという。まとまったいいアルバムだと思うが、この手のロックバンドはヒップホップ勢に飲み込まれやすいのかもしれない。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年6月。

 

ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン「オレンジ」

1994年発売。日本盤、帯付き。ブルースから発展したロックンロールは今に聴かせるバンド。有名バンドで評価も高いが、人を選ぶバンドじゃなかろうか。

ポップさはない。ブルースが下地にあるとはいえ、古き良きブルースをやるバンドじゃない。もちろんハードロックバンドみたいにわかりやすいわけでもない。楽器をやっていた人ならより楽しめる演奏なんじゃなかろうか。ジャズみたいに経験者だとより分かることがあって、聴き応えを感じるような。ベースレスバンドなんで特にギター経験者にはいいかも。

⑤sweat、⑧brenda、⑨dissect、⑪full grownがビビッときた。アルバム後半の方が好き。2人のギターを支えるドラムが光ってる。ちなみに全15曲のうちラスト2曲がリミックスバージョンだが、ピンとこないので聴かなくていいレベル。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年9月。

 

カサビアン「48:13」

カサビアンの名前は知っていたけど、これまでまったく聴いてこなかった。オアシス以降のイギリスバンドの中では大成功の部類だというイメージだった。

このアルバムは2014年発売。5枚目にあたる。②bumblebeeeが期待以上にいい。聴いている人間の気分を上げていこうとする曲だ。でも無理やり上げようというのではなく、自信を持って促す感じ。このときすでにデビュー10年ほどなので、余裕があるのだろう。

③stevieは既視感のある曲だが、これもよし。⑤doomsdayもいいなあ。⑥treatもそうだが、とにかく踊れる曲をということなんだろうか。⑦glassも既視感あるな。ラストの⑬s.p.s.は意外な感じがして、むしろ好き。落ち着いた曲もできるんだと。

アルバムとしてまとまりもあって、1曲1曲もしっかり作られている印象。初めて聴いたけどよかった。全編通してこういう音楽をやりたいという意志があって、余裕も感じかれる。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年5月。

ポリシックス「カラテハウス」

2007年発売。DVD付きなので初回限定盤かもしれない。バンドの存在は知っていたけど、聴くのは初めて。ニューウェイブ、ポストパンクなのは分かっていたが、まさにそんな音だった。

ニューウェイブには苦手意識があって、わざと奇をてらっているようなところが受け付けなかった。ただ、このアルバムにはそんな拒絶反応は起きなかった。ものすごくポップでキャッチャーなのだ。②エレクトリックサーフィンGOGOはシングル曲にふさわしい。J-pop的な展開もあるので聴きやすい。④catch on everywhereもどポップ。⑪夢・打ち込みもいい。⑮you-you-youはザ・イエロー・モンキーの「プライマル。」のメロディーを思い出した。

へんてこりんだけどへんてこりん過ぎないところがgood。ポップソングアルバムとして聴けるので、きっと初ポリシックスに最適という評価をファンの間でもされているんじゃないだろうか。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年4月。

 

ベント・ファブリック「ジュークボックス」

ベント・ファブリックというピアニストが7人のヴォーカリストとコラボして作ったアルバム。2006年発売。当時、ベント・ファブリックは81歳だったというからすごい。

おっさんというより、おじいちゃんが作った音楽だけど、びっくりするくらい今風の音楽になっている。インスト曲の⑦ハブ・ア・ブレイクを聴いても80歳代とは思えない。日本盤だったのでライナーノーツを確認すると、ベント・ファブリックはデンマークのミュージシャンで、日本ではこれがデビュー盤だけど、デンマークではベテランで精力的にライブ活動を当時でもやっていたそうだ。

ライナーノーツを読みすすめると、通常のアルバムとは作り方が違うことがわかってくる。ベント・ファブリックが弾いてきたピアノの音を使って、さまざまなミュージシャンが曲を作ったという感じ。ベント・ファブリックがバンドリーダーとなって、ほかのミュージシャンたちとセッションして作ったのではない。というか顔を合わせていないそうだ。

①ジュークボックスが一番有名な曲なんだろう。跳ね回るようなピアノがいい。②エヴリタイムの落ち着いたところもいい。ピアニストのアルバムなのにピアノが前面に出すぎていない点に物足りないと感じるかもしれない。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年9月。

イエス「ビッグ・ジェネレイター」

1987年発売の12枚目。日本盤でライナーノーツ付き。イエスにはプログレのイメージが強いが、このアルバムは80年代的ポップアルバムなんじゃないだろうか。キラキラして肩パットのごつい服を着て、夜の街をスポーツカーで走るみたいな音楽だ。それは①リズム・オブ・ラブと②ビッグ・ジェネレイターという冒頭の2曲が象徴している。ものすごくスタジアムロック。ださくなっても不思議じゃないのに、ちゃんとかっこいい音楽に仕上がっている。どの曲も耳に残る。④オールモスト・ライク・ラブは歌がうまいな。

1曲が長い印象があるが、まあ仕方ない。あまり見ないとはいえ、見つけたらぜひ買っておきたいCDじゃなかろうか。定期的にリピートして聴きたい。

【購入データ】購入店舗=福重店。購入日=2018年5月

 

 

NOFX「the longest ep」

アメリカのパンクバンドNOFXのepを集めたアルバム。2010年発売。全30曲入りとお得感がある。

いつものツービートで疾走するドラムに伸びやかなギター。ベースはガリガリとマシンガンのよう。アコースティック曲が3曲あるけど、基本的にはパブリックイメージ通りのNOFXだ。

ぱっと気に入った曲を。⑤kill all the white man、⑮golden boys、⑱im going to hell for this one、stralght outta massachusetts。中盤がいい感じ。

パンクのイメージ通りにとにかくテンポが速い.それでいてポップなのでパンク初心者にもNOFXはオススメ。自分がパンクをよく知らなかったときにもNOFXはすごくよく聴こえた。ブックオフには280円でよく見かけるイメージだ。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年5月。

 

 

モリッシー「ベートーベン・ワズ・デフ」

モリッシーのソロ。1993年発売のライブアルバムで、92年12月22日にパリで行われたパフォーマンスを収録している。全16曲。スミス時代の曲はない。日本盤で帯付き。

25年前のライブ盤だけにモリッシーは若い。モリッシーはモリッシーのままだけど、スミスとは違うってことはよく分かる。スミスはライブ盤「ランク」を発売していたけど、そこにある熱量とはまるで違う。ランクでは四方八方にバンドの勢いが炸裂していた。一方、このソロライブアルバムはあくまでモリッシーのみにスポットライトが当たっている。演奏が下手ということではない。モリッシーのサポートに徹している。モリッシーが好きなら、大満足の1枚だ。

それにしてもだ。相変わらずロッキンオンライターによるライナーノーツは何が言いたいのかよく分からん。分からない自分がアホなのかと思って、じっくり読み返してみたがやはり分からない。ライターの思い入れが強すぎるのか、または逆に何も書くことがなくて冗舌にするしかないのか。意味ありげに意味のない文章がとにかく書き連ねられている。こういうときは後者のような気がする。ライナーノーツは楽しみではあるが、基本的にはバンドの経歴含めた解説と、曲の特長等をまとめたものでいい。ライターの個人的な思い入れはいらない。これはロッキンオンの悪い癖だと思う。自分に酔った文章をロックの評論だと思っているのだろう。うまくハマれば面白いので、全くダメとは思わないが、このCDのライナーノーツはひどい。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年9月。