ソニックユース「メイド・イン・アメリカ」

80年代の映画のサウンドトラックらしい。全23曲。輸入盤。このCD自体は1995年発売なのかな。パッケージには1995年との表記もあるから。

ボーカル曲もあるけど基本的にはインスト曲が多い。実にソニックユース的。つまりイメージ通りで買って後悔がない。かといって実験的すぎないので聴きやすい。1曲ずつが短いのでもっとじっくり聴きたいなと思わせる。そういう意味ではオリジナルアルバムへの誘いとしてもよくできていると言えるだろう。

映画の内容はまったく分からない。ジャケットの感じだとロードムービー。映画用なので同じテーマを繰り返し使っている。若干中だるみを覚えるところもある。⑥⑨がよかったかな。

【購入データ】購入店舗=吉祥寺。購入日=2019年10月。

バリ島のガムラン/スリランカの太鼓

ワールドミュージックのカテゴリーにあったCDで1992年発売。日本盤。祭りで収集された音源だという。ライナーノーツには1971の文字もあるから、71年の録音なんだろうか。ちょっと分からない。

まずはバリ島のガムランから。ガムランというのはインドネシアの打楽器中心の合奏音楽のことをいうらしい。そういう知識はなしにとりあえず買ってみたら大当たりだった。1曲目は「ラマヤナの伴奏音楽より」というのだが、とんでもなくすばらしい曲だ。急に速くなるところなんて興奮を呼び起こさせられる。テクノっぽいと思ったけどミニマルミュージックな感じがそう感じさせるのか。観衆のざわめきが入っていて臨場感がある。

ガムラン音楽は精霊にささげるもので、悪霊を酔わせるものだという。ミニマルなのは酔わせようという意志だったのか。

④のケチャはびっくり。男性合唱なのだが、躍動感がすごい。チャッチャッと真似したくなる。

ガムランは今の楽器でいうと音は鉄琴に近いのかも。

⑦はライブ感たっぷり。高速で鳴り響く打楽器の後ろでゴーンゴーンと静かに何かが鳴っている。このコントラストが印象的。ゴーンの音があるから安定感があるんだ。

⑧からはスリランカの太鼓。バリ島のガムランでも感じだけど、日本でいう神楽を思わせる。神にささげるという点では共通しているからだろうか。ちなみに解説によるとバリ島のベースはヒンズー教でスリランカは仏教徒が多いのだとか。神楽はもちろん神道だ。

スリランカの方は素朴さがある。リズムは複雑だ。生で聴いたらもっと印象が違うのだろう。気のせいだろうか遠くの方でほかの音楽がなっているみたい。圧巻は⑫。象に乗って行進する人たちと一緒に音楽家たちが演奏しているという。収録は約10分。いろんなリズムになり歌声も入って、それでいて牧歌的なムードが漂う。お祭りなのかな。

なんの知識もなく買ったけど、こういういい出会いがあるから290円CDはいいのだ。

【購入データ】購入店舗=吉祥寺。購入日=2019年10月。

PJハーヴェイ「ザ・ピール・セッションズ」

2006年発売。よく聞くジョン・ピール・セッションから。PJハーヴェイについてはほとんど知識がなく聴いてみた。

音の荒々しさがダイレクトに録音されている。③が分かりやすい。⑤のギターのリフは心地よくて癖になる。

ノイジ―過ぎないし、ポップ過ぎないし、速すぎない。地に足着いたかっこいいロックだ。⑨のようなアコースティックな曲もいい。

録音がしっかりしているのがこのCDのいいところかな。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年11月。

ロザリオス「the end of the beauty」

2003年発売。3枚目のアルバム。ジャンル分けは不毛だけど、あくまでロック。曲の形はしっかりある。

②chaserがすばらしい。バイオリンが鳴り響き、ドラムとベースが土台をささえ、ギターの軽やかさが耳に心地いい。まだ聴きたいと思うところで終わってしまうくらいがいいのかもしれない。

④もすばらしい。もっといえばどの曲もすばらしい。勢いがあり中身が濃い。全10曲あるのだが、1曲を長くして、曲数を少なくしたアルバムがあったら聴いてみたい。どの曲もちょっと短い。決してジャズではなくロックだというのは、この点に理由がある。もっともライブでは違うんだろうか。楽しみである。

ダレそうになりがちな曲調だけど実は⑧以降も結構いい。

歌がないとダメという人には合わないだろう。そうでないならかなりイケるはず。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年11月。

アークティック・モンキーズ「サック・イット・アンド・シー」

2011年発売の4枚目。日本盤。13曲入りで⑬がボーナストラック。

①はらしい曲なんじゃなかろうか。メロディアスでキャッチャーな1曲だ。1stっぽさを感じる。いや、この1曲だけじゃない。アルバムの多くの曲がすごくキャッチャー。もともとメロディーセンスはあったのだけど、聴かせる曲になった。ボーカルの声のよさが堪能できるのがいい。

⑧以降はどれもアルバム最終曲になれそうなくらい落ち着いたポップさがある曲ばかり。こうなるとそういう歌ものアルバムを作ろうという明確な意思があったのかなと想像してしまう。1stの時はもっと荒々しさがあったはず。このアルバムにはそれはない。とはいえアークティック・モンキーズらしさはある。

⑬はボーナストラックだけあって録音の時点で浮いているかな。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年10月。

坂本龍一「WORKS OF R.SAKAMOTO」

1993年発売のコンピレーションアルバム。全14曲入り。

①fobidden coloursは戦場のメリークリスマスに歌を付けたもの。オリジナルがすばらしいからどうかなと思ったけど、意外にいい。ベストトラックは③venezia。ファイナルファンタジー10のビサイド島を思い出す。雰囲気が似ている。

⑤thouosand knivesはジェイムス・ブレイクの1stを思い出した。こんな曲あったよね、途中までだけど。

⑧セルフポートレートまで聴いて思うのはテクノではなくテクノポップなんだということ。基本的にポップさを大事にしているんだな。⑬ballet mecaniqueもいい。切ない系のメロディーラインがクセになる。最後は⑭戦場のメリークリスマス。これは言うまでもなくすばらしい。

【購入データ】購入店舗=前原店。購入日=2018年11月。あまり見かけない。

山下達郎「イッツ・ア・ポッピン・タイム」

1978年発売のライブアルバムが2002年にCD2枚組で再発売されたもの。レンタル落ち。本人による曲解説があって面白い。

めざましテレビの曲とか最近のポップなイメージで聴くと驚く。かなり渋い。これは六本木ピットインという場所でのライブを録音したものなのだけど、ものすごく緊張感が漂っている。なんか笑っていい雰囲気じゃなさそうというか、鬼気迫っている。

①スペイスクラッシュはなぜかスタジオバージョンなんだとか。でも②③へと続く流れの中で浮いてない。この冒頭3曲は渋いが、このアルバムの中ではこれでもポップな方である。演奏は実力者たちがやっていて非常にタイト。音数は少ないが、しっかり曲を形作っている。

極上のポップソングを期待すると裏切られる。だけどこの緊張感は病みつきになる。

【購入データ】購入店舗=ゲオ西新店。購入日=2018年12月。ゲオの350円CDコーナーで、しかも半額セールで。ブックオフ290円コーナーにはなさそう。

イブライム・フェレール「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・プレゼンツ」

1999年発売。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブに参加したキューバのヴォーカリストのソロ作品。

歌詞の内容は分からないけど、哀しくて切ない感じ。哀愁だな。スペインっぽいのは実際にスペインの植民地だったからなんだろう。スペイン支配のあとにアメリカがやってきたけど、アメリカな感じはない。もうすっかりスペイン文化が染みついていたんだろう。それだけスペイン支配が長かったのだが、もとのキューバ音楽は反映されているのだろうか。

⑤がしっかりと構成されていていい。⑦のノリもいい。⑩はウ~マンボッ!みたいな。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年6月。

ノラ・ジョーンズ「come away with me」

2002年発売のデビューアルバム。2300万枚以上も売れて、グラミー賞も受賞。21世紀を代表するアルバムなのだろう。

ジャズのボーカルものはあまり好きじゃなかったから、ずっと敬遠してた。これを買ってからもずっと積んだまま。ようやく聴いてみたが、やっぱ売れるだけあってすばらしい。Spotifyでも人気な①Dont know whyを気に入るかどうかでその先を聴き進めるかを判断すればいい。

派手さはないが、しっかり聴かせる。14曲中4分台の曲が2曲。それ以外は3分か2分という短さがハマっている。邪魔にならない音というのか、じっくり聴いてもいいし、ただ流しておくだけでもしっくりくる。ジャズらしい⑧が好き。

いいものは売れるのだということを改めて気づかされた。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年11月。290円コーナーではよく見かける。

大黒摩季「永遠の夢に向かって」

最近、離婚したとかで話題になった大黒摩季の4枚目。1994年発売ということにびっくり。ベストアルバムといっていいくらいシングルがぶち込まれている。

①永遠の夢に向かってはシングル。②ROCKsはアルバムを象徴する曲。歌詞はバブル臭というか90年代的なところがあってそこが好き嫌いの分かれ目か。

リアルタイムで聴いていない人が聴いてどう思うかは分からないが、当時を知っている人だと当時のことが思い出されていいかもしれない。シティポップにはなり切れていない。それでいてロックじゃない。ダンスミュージックでもない。歌謡曲や演歌の影響を受けたJーpopということなんだろうか。

演奏やアレンジはすごいしっかりしている。ドライブしながら聴くことを前提としているみたいな感じがする。車で聴くとすごい耳に馴染みそう。すべての曲がポップで捨て曲はない。この安定感がビーイングのすごさ。全11曲の中で個人的一番は⑨白いグラデーション。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年2月。