ケムリ「リトル・プレイメイト」

1997年発売のファーストアルバム。ケムリといえば、メロコアが日本ではやった時期から活動しているスカパンクハンド。

①ニュージェネレーションの時点でケムリのイメージのまんま。テンポ速めのギターロックでありながらホーンが入って一味違う。ただズチャズチャするんじゃない。ちゃんとロックしてる。

③プレイヤーが有名曲かな。フジロックの2枚組CDでケムリはこの曲やっていた気がする。

当時の10代にとっては新鮮だったと思う。メロコアは分かっても、そこにホーンが入ってくるなんて発想がないというか、それありなんだという驚きがあった。もちろんこの手の音楽はそれ以前からあったのだけど、当時の10代にとっては入口がケムリでありポットショットでありなんだな。

正直、今あえてこのアルバムを聴き込むかというとそれはない。だけど導入としての魅力があるのは間違いないな。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年10月。

尾崎豊「(無題)」

尾崎豊の死後に発売された企画盤。デビュー前の音源らしい。金儲けしか目的でないようなCDのためあまり評判はよくないとは思うが、今になって聴くとすんなり受け入れられる。

デビュー前のものというのが信じられないくらい完成度が高いし、尾崎の声はもう出来上がっている。曲の感じも尾崎調といっていいくらい個性が出ている。こうして聴いていると才能の塊だったんだな。彼に憧れて高校を中退したり、窓ガラス割ったり、バイク盗んだり、不良みたいことしてみたりという人は多いが、ほとんどは中途半端にしかならなかったんじゃないか。それくらい誰にも真似できないくらいの才能を持っている。ある意味で罪深い存在だったのだろう。良くも悪くも他人の人生に影響を与えるミュージシャンだった。

⑤秋風になると完全にデモ。音質も悪くなる。それでも尾崎は尾崎のまま。⑦弱くて馬鹿げててはタイトルがいい。フォークというよりブルースな感じがするのもいい。

とにもかくにも簡単に尾崎を真似するなんてできないし、誰もなれないだろう。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年3月。

サイモン&ガーファンクル「ライブ・イン・オハイオ」

ブートレグに近いライブ盤じゃなかろうか。1969年11月11日、オハイオ州のマイアミ大学でコンサートを収録している。ブートレフ風に言えばオーディエンス録音ではなくサウンドボード録音。客の反応がほどほどに入っている。

①ミセスロビンソンが終わるとバンド紹介。MCがしっかり入っている。最初こそ録音に不安定さを感じたが、②フェイキン・イットではよくなっている。③ザ・ボクサーはすてきなハーモニーで聴かせてくれる。

ちなみに前半はバンドスタイルでの演奏となっている、。後半はアコースティックで、この日が初めてのバンドスタイルのコンサートなんだとか。改めてネットで調べるとブートレグとしては有名なライブのよう。⑦cuba si,nixon noはこれでしか聴けないそうだ。フォークのイメージとは違うノリノリなロックンロールにびっくり。オフィシャルアルバムに入らなかったのは浮くからかなあ。⑧明日に架ける橋は新曲として紹介されている。ピアノによるゆったりとしたアレンジ。

もう少ししたら2人の仲が悪くなってしまう、ほんと直前に残された録音。全16曲。とてもいい。

 

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年12月。

ポール・ウェラー「ワイルド・ウッド」

1993年発売のソロ二枚目。日本盤。調べるとこの日本盤はオリジナルと曲が違うらしい。確かにフット・オブ・ザ・マウンテンという曲がない。しかもこれは全13曲で、本当は16曲というのだ。買ったのはポニーキャニオン盤だが、後日、ユニバーサルミュージックから再発されたのがあって、これはイギリス盤に準拠しているようだ。そちらも手に入れてみたい。デラックスエディションが出ているから安いはず。バージョン違いを気軽に買えるのが280円に良さだな。

ポール・ウェラーのソロには枯れたイメージを持っていたが、これはそんなことない。もっとも、ジャムやスタイル・カウンシルにあった勢いはない。歳の割りには歳喰った音楽をしているというのは正直な感想だ。ウェラーは1958年生まれ。このアルバムが発売されたのは35歳のころか。今の35がこんな落ち着いた音楽はしないような気がせんでもない。

④の落ち着いていながらも徐々に手に力が入る感じがいい。アルバム後半になるにつれ、どんどん引き込まれていく。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年5月。よく見かける。

サテライト・グルーヴス「atoms,molecules,and rain」

2002年発売。事前情報なしにとりあえず手を取ってみた。ジャケットからテクノっぽいと判断したが、果たしてそうだった。エレクトロニカという感じ。調べると一人の人間によるプロジェクトだそうだ。

①glitches killが導入としてすばらしい。優しい音でリラックスさせてくれる。それでいて明るい。②electric waterを聴いてみてもやはり優しさを感じる。あたたかみというか。轟音じゃないときのモグワイみたいな印象もある。

もっとも全編がこんな調子なので飽きがくるかもしれない。それでも癒やしの音楽だからとりあえずかけてのんびりしたい。280円ということを考えればすばらしい一枚だ。

ジャケットには全9曲だが、トラックには⑩もある。2分ぐらいすると曲が始まる。隠しトラック扱いなのかな。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年2月。

スペンサー・デイヴィス・グループ「ザ・ベスト・オブ・スペンサー・デイヴィス・グループ」

1992年発売のベストアルバム。日本盤で帯付き。帯には日本初CD化とある。1960年代に活躍したイギリスのロックバンド。スティーヴ・ウィンウッドがいたことで有名。

60年代のイギリスのロックバンドといえば、ビートルズにフーにストーンズ、そしてキンクス。それ以外にもいっぱいいたうちの一つがこのバンドだ。

スモールフェイセスみたいなモッズではない。もちろんフーじゃないということでもある。じゃあストーンズみたいに怪しげかというとそんなこともない。ビートルズほどのポップさはない。しいて言えばキンクスが近いか。いやキンクスほどヘビーな感じもない。

⑤バック・イントゥ・マイ・ライフ・アゲインはすばらしい。インストの⑥ワルツ・フォー・ルマンバも流れとしていい。こうして聴いていると〇〇みたいという表現は不毛なんだと気づく。このバンドはこのバンドで個性があるのだ。

ブルースはもちろんだがジャズやソウルもルーツに感じる。前14曲でどれもノリがいい。繰り返し聴きたい。

古いCDだけど音がこもって聴こえるというようなことはなく快適に聴ける。

【購入データ】購入店舗=荻窪。購入日=2019年6月。

王様「王様の恩返し」

1996年発売。ファーストアルバム。王様といえば、王冠に赤いマントでコミカルな格好をしていて、洋楽のロックスタンダードを直訳した歌詞で歌うミュージシャンだ。歌詞も注目だけど、ギターをコピーしているのがすごい。

見た目はふざけているが、ユーチューブで見られる王様の雄姿はすごい。どんなところでも演奏可能。一人で登場し、CDラジカセのオケに合わせて、ギターと歌を披露。どこでも大盛り上がり。しかも、これらの映像は最近のもの。今でも王様は王様としてしっかり活動しているのだ。

そんな王様の代表作だけに、魅力がたっぷり。①高速道路の星は定番ナンバー。歌詞の外し加減も考えたのか天然なのか、すばらしい。

ディープパープル以外にはジミヘン、ストーンズ、ツェッペリンなど。オリジナル曲も1曲ある。サマータイムブルースはザ・フーのバージョンかな。ハードロックばかりというわけでもないのだ。

好きなロックナンバーを弾いて、歌うのは楽しそう。特にブラウンシュガーがいい。あとファイヤーも。どっちも直訳にするとわいせつだ。というか、こんな歌詞の洋楽は多いんだろうな。

ちなみにオリジナルの⑪王様の恩返しはブルースちっくな導入。そこからハードな展開に。ベースにあるのはツェッペリンだろう。歌詞は自伝的な感じ。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年9月。

ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロ―ジョン「エクストラ・ウィドゥズ」

1993年発売。輸入盤。古いCDだから音質が悪く聴こえるのか、そういう録音なのか。ギターの音が生々しくてすごい。音が小さいから、ヘッドホンで大音量にして聴きたくなる。というか実際にそうしている。

ブレイクするのは次の「オレンジ」からだそう。そうはいってもこのアルバムにもパワーがあるから聴いて損はなかった。1曲ごとのまとまりと言う点では「オレンジ」や「アクメ」「プラスティック・ファング」が優勢だが、エネルギッシュである点はこのアルバムもそう。

音の歪み具合が「こういうの聴きたかったんだ」と思わせてくれて、ちょうどいい。買ってよかった一枚だ。

ただ本当に音がこもってる感がある。このCDだけなんだろうか。⑤からは少しクリアに聴こえた。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年9月。

メタリカ「セイント・アンガー」

2003年発売の8枚目。輸入盤。DVD付き。というか、買ったらCDが入っていなかった。つまり、DVDだけ。まれではあるが、ブックオフではありえること。しかも280円だ。店員の集中力も低くなるだろう。280円モノを触っているときは。

CDはないからその中身については何とも言えないが、DVDが思いのほかよかった。CDの曲順通りのスタジオライブ。メタリカにはもっといかついオッサンでもっと重厚、言葉を変えると鈍さがあるとのイメージを持っていたが、このアルバムではなかなかスピーディーで見た目も若かった。

メタリカのCDはほかに何枚かあるけれど、そんなに聴き込んでいるわけではないので、このアルバムがメタリカとしてどうなのかというのは分からない。ただ、いいアルバムなんじゃないかな。DVDの感想だけど。

④ダーティ・ウィンドウがパンキッシュでありながら、曲展開が面白い。⑧スウィート・アンバーは勢いを感じる。ドラムがけん引している。

メタルといわれるけど、ギターソロがあんまない。だからメタルのイメージを持ちすぎると肩透かしを食らいそう。かといってハードロックと一言にも言い難い。もちろんパンクでもない。やはり重さがある。そして一曲が長め。

スタジオライブではボーカルがアイドル並みに服を着替えている。ボーカルのTシャツの変化も楽しめた。まあ、そんなことはどうでもよくて、DVDはとにかくいい。CDがなくてよかったくらいだ。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年9月。

ザ・カスタネネッツ「リビング」

1996年発売。デビューアルバム。良質なギターロックバンドと言う感じ。丁寧な演奏とアレンジ。かすれそうなボーカルの声。90年代にはこんなバンドが多かったように記憶している。

③僕はそれがとても不思議だったがベストトラックかな。そこまで売れなかったのは個性が際立っていなかったからかもしれない。メロディーはポップではあるが、ものすごくポップという域ではない。演奏は丁寧だが、それだけだ。落ち着いて聴けるので気に入れば何度でも聴くアルバムになるのだろう。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年11月。