1995年発売のエラスティカ1stアルバム。ジャスティーン・フリッシュマンが有名。有名な理由はミュージシャンとしてよりも、ブラーのデーモン・アルバーンの恋人だったから。このアルバムにもデーモンが作ったんじゃないか疑惑の曲があるようだ。確かにアルバム前半はブラー臭がしなくもない。④カーソングは耳に覚えありといった感じだ。
ジャスティーンは現在、アーティストになっているという。絵描きだったかな。後年、NMEの取材に対して、「世界中を回って、95年や96年にこの星の現実を垣間見る事ができたし、たくさんのあこがれの人にも会えた。もっとも価値のあるレッスンのひとつは、成功が必ずしも裕福にしてくれるわけではないし、人生を豊かなものにしてくれるわけでもないと分かったことよね。私たちはセレブリティを重要視するカルチャーのなかで暮らしていて、有名であることがすごいことなんだと感じながら大人になったわけよね」と答えている。
セレブリティになるべしと夢見ながら、実際にセレブリティになったジャスティーンだったけど、それは幸せには繋がらなかったことを身をもって感じたというのだ。この返答はとっても好き。
もうひとつ記憶に残っているジャスティーンのエピソードがある。デーモンと別れたあと、デーモンは別れを歌った曲をブラーで発表。「ノーディスタンス・レフト・トゥ・ラン」という曲でイギリスではラジオやメディアでよく流れたそうだ。で、日本のライターが「別れた女性からしたらたまったものではない」みたいに書いていたのが印象に残っている。確かに未練がましくて不気味というか気持ち悪いというかムズムズしそう。
エラスティカについては、音楽よりもジャスティーンの話の方が楽しい。アルバムの内容が悪いってわけじゃない。全16曲、通して聴いても苦痛はない。苦痛なく聴けるというのは実はレアだ。⑨ブルーは疾走感のあるポップなナンバー。⑫2:1のほかの曲とは雰囲気の違う面白みのある曲。この曲以降からはちょっとニューウェイブっぽさを感じ、エラスティかとしてはブリットポップよりもそっち方面をやりたかったのではないかとうかがわせる。
日本盤なのでライナー付き。ロッキンオンの増井修氏の手によるもので、ガールズバンド、つまり女性であることを重視しているのは時代がそうだったからなんだろうか。
【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年9月。