スーパーカー「ジャンプ・アップ」

1999年3月発売。初回限定スペシャルパッケージ。シングル「マイガール」収録。のちにエレクトロニカに接近するスーパーカーだけど、この時期はまだギターロック。

倦怠感というか気だるい感じが漂う。スーパーカーがオリコン上位をにぎわすバンドにならなかったのは、この倦怠感が原因だろう。例えばミスター・チルドレンは倦怠感を歌う曲はあっても、倦怠感を表現しているバンドじゃない。「前に向かって進め」的なバンドだ。だからこそ大衆性を獲得し、売れっ子バンドになっているんじゃないか。

んで、スーパーカーは音や声に倦怠感がある。これはロックンロールにはとってもいいことだ。だけど、ビッグヒットを生み出すことはない音でもある…たぶん。まあ、そんなことはどうでもいいとして、このバンドがいいことには変わりない。十分に成功した部類だし。

全11曲。起伏はない。ベストな1曲があるというより、流れで全曲を聴きたい。のちのエレクトロニカ接近の萌芽も見られる。午後にのんびり聴きたい1枚だ。

【購入データ】購入店舗=福岡長住店。購入日=2018年5月。280円コーナーでたまに見る。

トーキョー・ナンバーワン・ソウル・セット「9 9/9」

中学生か高校生くらいのころ、夜のNHK-FMでミュージックスクエアという番組があって、よく聴いていた。ブルーハーツの解散発表も聴いていた。この番組はヒットチャート上位をにぎわす曲だけでなく、結構幅広く紹介していたので、お金のない学生にはいろんな邦楽を知るいいきっかけになっていたと思う。

トーキョー・ナンバーワン・ソウル・セットもまたよく紹介されていた。ヒップホップなんだけど、独特。語りに近いが、語りと言い切るには御幣がある。万人受けはしないが、コアなファンがいそう。とにかく個性が強かった。

1999年発売。サードアルバム。③先人達の夢は不穏なムードをかもし出していて、動悸が早くなりそう。④キーワードは歌モノっぽくて聴きやすいんじゃないか。⑥サンデイはシングルにもなった代表曲。朝の都会という感じ。⑨夜明け前も不穏だな。

聴いていて全体的に焦燥感に駆られるというか、いてもたってもいられない気持ちになる。世紀末はこんな気分だったんだろうか。そこが病みつきになりそう。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年2月。280円コーナーでたまに見る。

フー・ファイターズ「ワン・バイ・ワン」

元ニルヴァーナが率いるバンドというのは分かっていたけど、今までまったく聴いてこなかった。泥臭いUSロックをやっているという勝手なイメージを持って敬遠していたのだ。見た目の濃さが原因だろう。

発売は2002年。輸入盤。ボーナスディスク付きのスペシャルエディション。聴いてみると思ったより泥臭くない。洗練されているとまではいえないが、まとまった演奏をしている。ひねくれているところはなくストレート。③have it allは美しいメロディーを持つ良曲。激しい曲もあれば、ミディアムテンポもあり。バランスはある。

全11曲でアルバムとして統一感を感じる。楽器と歌が一定のトーンに保たれているからかな。

ついでにボーナスディスクもチェック。B面曲とライブ曲の全7曲。②シスター・ヨーロッパがサイケ色があって良曲。というかこのバンドとは違う雰囲気がある。それよりもどこかで聴いたことがある。念のためネットで調べると…イギリスのポストパンクバンド、サイケデリック・ファーズのカバーだった。一時期、聴いていたのでこの曲も耳にしていたんだろう。③ダニー・セイズはラモーンズのカバー。④ライフ・オブ・イリュージョンはジョー・ウォルシュのカバー。どれもカバー曲は原曲に近く、自分たちの色をそんなに出していない。

⑤⑥⑦はライブ曲。⑥モンキーレンチが代表曲なのかな。同じ280円ならボーナスディスク付きを買った方が楽しめるはず。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年4月。フー・ファイターズのCDは280円コーナーで割りと見る。メルカリでみるとボーナスディスクがあるかはわからないけど、400円から700円くらい。

アンドリューW.K.「ザ・ジャパン・カバーズ」

変なCDを見つけてしまった。アンドリューWKについては知っていた。面白いロックをやっていたのを覚えている。ロッキンオンだったかで取り上げられていて、もてはやされていた記憶がある。で、このCDだ。発売は2008年。ブックオフでパッケージを手にとって首をかしげてしまった。曲タイトルが日本のポップスだったから。

そう、アンドリューWKが日本のポップスをカバーした企画アルバムなのだ。1曲目がキセキで、まったく想像がつかない。恐る恐る聴いてみると結構よかったんだな。②ギロッポンはダメ。③羞恥心もう~ん。④リンダ・リンダ、⑤小さな恋のうたはよかったな。その後もいいのと微妙なのが混ざって続いていく。

どうしてこの企画を考えたかは分からない。そもそも曲として微妙なものもいくつかカバーしているのを考えると、本人ではない誰か日本のレコード会社の思惑を感じないでもない。②③の英語カバーを聴きたい人がいるとは思えないし。

トータルで聴いてみれば悪くはないが、定価では買いたくないなあというシロモノ。280円で、かつアンドリューWKのことを知っているならぜひ手に入れたい。聴いていて面白いのは間違いない。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年6月。アンドリューWKのCDはよく280円コーナーでみる

レッド・ツェッペリン「ライブインロッテルダム」

ライブ録音されたのは1980年6月21日のオランダ公演。日本語で書かれた帯が付いていたけど、もとはブートレグ。「the swingin pig」ってパッケージに書いてあるけど、これがブートレグのレーベルだったような。ネットで調べたらアナログレコード時代からある音源のようだ。

1曲目はレインソング。この時期のツェッペリンはトレインケプトアローリンで始まってたはずだから、このCDはライブの後半を収録していて、前半は別で存在しているはず。一時期、ツェッペリンのブートレグを集めていたから、80年のライブ音源もいくつかあるのだが、あまり聴いていない。聴けばそれなりにいいのは分かっているけど、70年代前半の音源があるのに、あえて80年の解散前のライブを聴きたいとは思わなかったからだ。

でも聴けばパワーにあふれているのは間違いない。ギターはきれいに録音されている。since ive been loving youのイントロのギターはしっかり入っていた。ジミー・ペイジは絶好調ではないかもしれないが、がんばっている。この数か月後にジョン・ボーナムの死によって解散してしまう。公式ライブ盤では80年のライブはなかったような気がするので、この時期のライブをCDで聴けるのはレア。1枚くらいあっても困るもんじゃない。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年6月。ブートレグと思われる。

ダリル・ホール&ジョン・オーツ「グレイテスト・ヒッツ」

超有名デュオだけど聴くのはこれが初めて。まるで日本のポップスを聴いているみたい…という印象を抱くのは、多くの日本のポップスがこのデュオに影響を受けているからなんだろう。オリジナルがこっちなわけだ。

このアルバムは「ロックンソウル パート1」という名前でも呼ばれているみたいだ。①say it isnt soから⑫wait for me(ライブ)まで初めて聴くのに初めてじゃない感じがいい。80年代の洋楽のイメージそのもの。どこかで聴いたかもと懐かしさすら感じる。

懐かしいという感想を持つことは古臭いと感じていることでもある。複雑な音楽が増えた今、これくらい素直な曲がもっとあってもいいような。⑦プライベートアイズがハイライト。ブルーアイドソウルという白人によるソウルを聴くなら、まずはこのベストアルバムから入るのもいいんじゃないか。

【購入データ】購入店舗=福重店。購入日=2018年5月。輸入盤。

アンダーワールド「1992-2002」

2003年発売のベストアルバム。2枚組み。アンダーワールドはオリジナルアルバムをいくつか持っているのでいらないかとは思ったが、280円という安さにまあいいかとなってしまった。聴いてみたら、買ってよかったなと思えたのでよし。

ディスク1の冒頭からすばらしい。①ビッグマウスはレア曲らしいのだが、音が鳴り出した瞬間から引き込まれる魅力がある。ディスク2の方はボーンスリッピーがあるなど、ヒット曲を中心としているが、ディスク1も負けていない。むしろディスク1のハードボイルドな感じが好きだ。ディスク2は大半の曲がライブCD「エブリシング、エブリシング」と重なっているし、お祭りって感じ。

お祭りとはいったものの、冷徹なビートではある。ダンスミュージックというと享楽的なイメージを持つ人もいるだろうが、アンダーワールドは感情をぶちまけるような曲よりも冷静な曲が多い。ただ、ライブだと印象が変わる。フジロックで見たときは普段、踊らない自分も踊った。熱狂し、感情的になった。CDとライブが違う音楽のひとつである。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年2月。輸入盤。

オムニバス「パンク・オー・ラマ」

10代のころよく聴いていたのが、パンク・オー・ラマというオムニバスCD。アメリカのレーベル「エピタフ」が発売していて、20曲以上のパンクソングが収録されている。定価1000円と安くてお得なのだ。当時に買ったものはどこかいっちゃたので、改めて買い直してみた。

280円コーナーで買ったのはシリーズの3から6。よく聴いていたのは3と4だった。NOFX、ランシド、ペニーワイズなど有名どころも入ってる。特に3の冒頭2曲は聴いていて気持ちがいい。思い出補正かもしれないが、サイコー。たくさんのバンドが参加しているから、気に入ったバンドはオリジナルアルバムを買おうという動機になる。実際にテン・フット・ポールのアルバムを買った記憶がある。]

たくさん曲はあれど、NOFXとランシドが抜きん出ている。気軽に買ってみて、気に入ったものを探してみたい。

【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。

角松敏生「タイムトンネル」

1999年発売。93年に歌手活動を凍結して以来のアルバムとなる。角松敏生のイメージは都会的なポップス。今のJ-popを作り上げた人の1人という印象。このアルバムもポップスとしては極上レベルのものが詰まっている。

細かいところまで注意が行き届いているサウンドプロダクション。声に関しては好き嫌いがあるだろうけど、涼しげで曲調に合っている。③SHIBUYAという曲もある通り、都会のにおいがする。出身も渋谷区だそうだ。地方出身の自分としてはあこがれながらも、どこか毛嫌いしてしまうという相反した気持ちでいつも角松敏生の曲を聴くことになる。嫌味のないことが嫌味というか。

基本的にはバブリー。だけどバカバカしいくらいに明るいというのでもない。歌詞カードに使われているのは渋谷のスクランブル交差点を上空から撮った写真。人々はみんな傘をさしている。晴れている日ではなく雨の日をわざわざ選んでいることに意味がありそう。みんな疲れている。そんな疲れを少しでも癒やしたり、忘れさせたりしたいという思いが角松敏生にはあったんじゃなかろうか。ド派手な曲は少ない。

海やドライブのときに聴きたい曲のイメージの角松敏生だけど、このアルバムはそんな感じじゃない。雨の日に聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。凍結後のアルバムなら280円にたまにある。

スタイル・カウンシル「エクストラズ」

スタイル・カウンシルはとっても好き。280円コーナーに探していたエクストラズがあって思わずガッツポーズ。発売は1993年。つまり解散した後に出たB面集みたいなもの。ザ・ジャムにも同様の趣旨のエクストラズが発売されている。

以前はスタイル・カウンシルのオシャレな感じが受け付けなかった。ザ・ジャムでもパンク色の強い前半が好きで、後半のいろんなジャンルの音楽に手を出しているのはあまり聴かなかった。ところが年を取ったからか、好みが変化。むしろ今は「インザシティ」みたいなのが聴いていられなくなってしまった。

それに気付いたのはスタイル・カウンシルの「カフェ・ブリュ」の中古レコードを買ったから。聴いてみたらすごくよかった。オシャレな音楽、いいではないか。しっとり歌うポール・ウェラーもいいではないか。

B面集だし時系列で曲が並んでいないので統一感はない。とはいえ全22曲のなかにはオリジナルアルバムに入っていてもいいのにと思う曲がいくつかある。一方、なかにはピンとこないのもある。曲に歌が追いついていないというか、ソウル色が強くなるとボーカルが弱いように聴こえる(未発表曲なので本気で歌ってないかもしれないが)。

スタイル・カウンシルを知らない人には勧めないが、オリジナルアルバムを買って気に入ったという人なら満足できるはず。紅茶を飲みながら聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。日本盤。帯なし。スタイル・カウンシルは280円コーナーでたまにある。