BOOWY「〝GIGS〟JUST A HERO TOUR 1986」

かの有名な「ライブハウス武道館へようこそ」のMCが生まれたという1986年7月2日のライブを収録。発売は1989年12月24日になってます。ようは再発盤でしょう。BOOWYは今までまともに聴いたことがなく、280円であったからとりあえず買ってみたという程度。知っている曲もほぼない。そんなんで聴いてみたけど、当時の若者がかっこいいと思ったのも分かるかな。

BOOWYがヴィジュアル系かどうかはなんとも言えないが、後のヴィジュアル系バンドには多大な影響を与えている。特にボーカルの氷室京介の歌い方を参考にしている人は多い印象。それだけBOOWYの時点で完成されちゃっているとも言える。

演奏はタイトでソリッド。大味なところがない。声にも音にも色気を感じる。メロディーへの歌詞の乗せ方はとてもすばらしい。ただ、歌詞の内容は真剣に聞くようなものじゃない。楽器ではベースの音がしっかり聞こえるのがグッド。次から次へと曲が繰り広げられ、息つく暇がない。シリアスなイメージがあったけど、⑦ホンキー・トンキー・クレイジーなんて明るい曲もある。⑨DREAMIN‘のイントロなんておどるポンポコリンかと思ったくらい。

で、肝心のMCは⑩IMAGE DOWNで。サビを客に歌わせているところに「ライブハウス武道館へようこそ!」と氷室が叫ぶ。さらに続けて、「ライブハウス武道館へようこそ」と今度はおちゃらけた感じで言う。最後は「ここは東京だぜ! OK(笑い)」とトドメの一言を放つ。

正直、全然カッコよくないのだ。とにかく氷室がこのライブを楽しんでいるってことがよ~く伝わってくるMC。伝説化したのもこのライブやこのライブ盤を共有した人たちがバンドと同じく武道館ライブを楽しんだからこそ記憶に残り続けたんじゃないのか。何回聴いてみてもこのMCの部分はカッコいいというより、ほほえましいという言葉がふさわしい。

BOOWYについて誤解していたんだろう。スカしたカッコつけバンドと思っていたけど、音楽が、バンドが好きな人たちの集まりだったんだ。純粋だったからこそハイテンションなMCが生まれたんだ。シンプルな日本語ロックを聞きたくなったらこの1枚。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年3月。汚れあり。特に歌詞カードは飲み物をこぼした跡が大きく残ってパリパリしてる。BOOWYのCDを280円コーナーで見ることは少ない。このCDはのちの完全収録盤が出ているので、特に安くなりがち。

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