角松敏生「タイムトンネル」

1999年発売。93年に歌手活動を凍結して以来のアルバムとなる。角松敏生のイメージは都会的なポップス。今のJ-popを作り上げた人の1人という印象。このアルバムもポップスとしては極上レベルのものが詰まっている。

細かいところまで注意が行き届いているサウンドプロダクション。声に関しては好き嫌いがあるだろうけど、涼しげで曲調に合っている。③SHIBUYAという曲もある通り、都会のにおいがする。出身も渋谷区だそうだ。地方出身の自分としてはあこがれながらも、どこか毛嫌いしてしまうという相反した気持ちでいつも角松敏生の曲を聴くことになる。嫌味のないことが嫌味というか。

基本的にはバブリー。だけどバカバカしいくらいに明るいというのでもない。歌詞カードに使われているのは渋谷のスクランブル交差点を上空から撮った写真。人々はみんな傘をさしている。晴れている日ではなく雨の日をわざわざ選んでいることに意味がありそう。みんな疲れている。そんな疲れを少しでも癒やしたり、忘れさせたりしたいという思いが角松敏生にはあったんじゃなかろうか。ド派手な曲は少ない。

海やドライブのときに聴きたい曲のイメージの角松敏生だけど、このアルバムはそんな感じじゃない。雨の日に聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。凍結後のアルバムなら280円にたまにある。

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