デヴィット・ボウイをこのアルバムで評価するのは間違っているかもしれない。2016年1月に亡くなってから、もう2年も過ぎていた。つい最近だと思っていたのに。そんな彼のベストはやっぱりジギー・スターダストになるんだろう。1999年に出たこのアルバムがいくら280円でお得だからってボウイのベストアルバムだなんて言わないし、言えない。
日本盤にはザ・イエローモンキーの吉井和哉によるコメントもついている。吉井が洋楽ファンの間で有名になったのはレディオヘッドのokコンピューターのライナーノーツではないか。確か「対バンしようぜ」って内容だったと思う。さすがにボウイ相手に対バンを望んだりはしていない。ファンとしての思いがつづられている。
ただ吉井のようにベタボメするようなアルバムではない。ボウイの声は枯れている。ずっと追いかけているリスナーなら、この声を渋みとして受け入れられるのだろう。聴かせる音楽であって、躍らせる音楽ではない。⑤セブンの優しいボーカルが好き。
全体的にもっさりしているのをよしとするかどうかで評価が分かれそうだ。これベテランの妙と思うか、年老いたとみるか。⑦プリティシングス・アー・ゴーイング・トゥ・ヘルを聴いて、いいと思えばこのアルバム全体に満足いくはず。ダメなら合わないと判断していい。
【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。ボウイのアルバムはあまり見ないかな。