ピクシーズとかマイブラみたいな歪んだギターの洪水。轟音の向こうに切ないメロディーが流れる。280円で買える間違いのない名盤だ。
発売は1987年。セカンドアルバムに当たる。SSTレコードのもので輸入盤。ボーカルとギターを担当するJ.マスシスがグループでは一番有名だろう。アメリカのバンドで、80年代後半ぐらいから出てきた、オルタナロックの流れにあるバンド。聴けば、ああ、そんな感じと膝を打つくらい典型的な音だ。
④the lungがすばらしい。爽快感あるイントロかと思えば、35秒から空気感が少し変わる。これだけギターをかき鳴らしているとマッチョな感じがしてもおかしくはないのに、マッチョとは反対の印象だ。マイブラとかシューケイザーにもいえることだが、なぜかこの手のロックにはインドアっぽい。ジーンズに色あせたTシャツを着て、不健康そなほどに青白い顔で静かに轟音を出す。ダイナソーJr.の写真や映像を見たことはないが、先述した光景が思い浮かんでくる。
⑦in a jarはさわやかさがありつつ、ところどころ不穏だ。美しいのだけど、ふとした瞬間に壊れてしまいそうなもろさを感じる。後半、壊しにかかるかと思いきや、ギリギリのところで踏みとどまるから面白い。
轟音ロックが聴ける人ならば、きっと気に入るはず。
【購入データ】購入店舗=春日店だったかな。購入日=2018年5月。