1978年のライブアルバム。ブートレグ、つまり海賊盤と銘打つだけにザ・フーのライブ・アット・リーズみたいなそっけないジャケット。ハンコを押したような海賊盤っぽい仕上がりになっている。古いせいか音がこもっているので、音量は大きめで聴くしかない。
同時期のローリングストーンズやツェッペリンに比べるととても聴きやすい。適度にテンポが早くて、ポップに仕上がっている。パンク・ムーブメントとは違うフィールドで堂々と自分たちのロックンロールをやっている、そんな自信を感じる。そう、楽しそうなのだ。
ビートルズのカム・トゥゲーザーのカバーも面白いが、⑦ウォーク・ディス・ウェイの鉄板ぶりが最高だ。力でねじ伏せていく感じ。おそらくだけど今のエアロスミスにはないんじゃないか。若くて脂が乗っているからこその勢いじゃなかろうか。もし今もこんな感じならそれはすごいことだけど。
後半の⑭⑮だけ時代がさかのぼって73年になっている。音も露骨に違って、より小さい会場でやっているような雰囲気。⑮はジェイムス・ブラウンの曲だが、きっとこれはオリジナルを聴いた方がいいレベルだと思う。ノリきれてないJBって感じ。問題はこの曲の後半からドロー・ザ・ラインという別の曲になる点。それを聴こうと思ったら、ノリきれてないJBを聴くしかない。
まとめるといいライブアルバムなのは間違いない。エアロスミス初心者でもむしろ入門編にいいんじゃないか。
【購入データ】購入店舗=前原店。購入日=2018年12月。