プリンス「come」

1994年発売、輸入盤。全10曲。①comeは11分の大作ながら、長くて苦痛ということはない。プリンスだからやはり「イク」という意味なんだろうか。女性コーラスのカム!が癖になりそう。

音はジャズ的でありヒップホップ的でありブルースもありという感じ。ごった煮だが、ゆっくりと体を動かしてノるタイプ。③pheromoneは良曲。④loose!はダンサブル。⑩orgasmは完全にアエギ声。家族のいるとろこでは聴けないかもしれない。

このアルバムは単語のタイトルがほとんどで、そういうコンセプトだったのか曲も聴きやすい。プリンスを聴かず嫌いしている人でも聴けそう。全体のトーンにも統一感がある。

【購入データ】購入店舗=門前仲町店。購入日=2019年4月。あまり見かけないけど、店によっては280円コーナーにプリンスの枠があることもある。

ブロック・パーティー「サイレント・アラーム」

2005年発売のデビューアルバム。日本盤。イギリスのバンド。ザ・ストロークス以降のガレージ・リバイバルの中のひとつというイメージ。もっとも音はガレージバンドじゃなくて、フランツフェルディナンドみたいな踊れるタイプ。

性急なドラムが魅力的。ニューウェイブなところがあって実験的なものもある。③はそんな感じ。⑥まで実験が続く感じ。⑦でポップスに戻ってくる。⑩はギターのきれいな曲。①②の印象で最後まで聴くとちょっと違うなと思うかもしれない。

もう14年前のアルバムだけど、ここからニューウェーブの方向へ行ったのか、美メロのギターロックに行ったのか気になるところ。ニューウェーブじゃないほうがいいと思うんだがな。そっち方向には振り切れないと思う。

ボーナストラック⑮はモグワイミックス。ぽさはあるかな。⑯のあとにシークレットトラック。寒い冬。雪のイメージ。このバンドのギターのキラキラ感は雪なんだ。そんなことを感じさせるインスト曲だった。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

the john butler trio「sunrise over sea」

2004年発売。オーストラリアのバンドでこれは全豪1位になったのだとか。これは輸入盤。

ブルースな曲からスタート。ジャムバンドということでスタジオアルバムよりライブ盤の方がいいのだろうけど、まずはこれから。正直、買ってきてすぐ聴いたときは「なんじゃこりゃ」と思った。野暮ったく聴こえたというか、ブルースを主体にいろんな音楽を取り入れてみました感があったからだ。つまり、そのまんま過ぎて単調単純に思えたわけだ。

数か月ぶりに聴いてみると、結構よかった。ジャムバンドらしさを感じる①、しっとり聴かせる②、③は若干地味に聴こえる。ただ、その後聴き続けていくと似たような曲が多いなあと思わざるを得ない。⑩はほかの曲と違ってロック色強め。⑫の独特なリズム感は好き。

全14曲。これだというパンチ力はないかなあ。

【購入データ】購入店=天神店。購入日=2018年2月。

ピーター・トッシュ「legalize it」

オリジナルは1976年発売。ジャマイカのミュージシャンでレゲエ。もうジャケットを見ればよく分かる。大麻とおぼしき植物に囲まれて、煙を吹かしているのだ。で、①legalize itは大麻を解禁しろみたいな意味。

ボブ・マーリーと一緒にウェイラーズというバンドをやっていた。このソロ作はボブ・マーリーよりもどっぷりレゲエという感じ。ジャマイカがどんなところは知らないが、とても暑いビーチでふわふわと浮遊感を感じているような音楽だ。

輸入盤でかなり古いCDだと思うけど、音質に問題はない。

⑤why must i cryがすてきな曲。演奏が気分を高揚させてくれるようで聴き応えがある。⑦ketchy shubyはかわいいメロディー。⑧till your well runs dryはポップスのような始まりからレゲエに展開する。最初はちょっとビックリした。

元KAT―TUNが大麻で逮捕された事件以外にも実は大麻をめぐる事件は日々多い。むしろ最近増えているんじゃないかってくらい。同時に大麻解禁論者の声も大きくなってきたような気がする。この音楽も大麻と密接な関係にあるんだろう。大麻がなくてもすごくいいアルバムだと思うけどね。

【購入データ】購入店舗=荻窪店。購入日=2019年5月。

フリート・フォクシーズ「ヘルプレスネス・ブルーズ」

2011年発売。日本盤。シアトル出身の6人組で2006年にバンド結成。ジャケットから60年代の空気が漂っているが、音もそう。なんかスイスの山小屋で鳴らしているような牧歌的なところがある。ラブのようなところもあるが、サイケデリックというのでもない。

コーラスワークとか美しいが、メロディーにパンチがひとつ足りない。なんか健全というか健康的というか、牛乳が飲みたくなってくる音楽だ。

【購入データ】購入店舗=西新ゲオ。購入日=2018年12月。セールで350円が半額になったはず。

曽我部恵一「スケッチ・オブ・下北沢」

もともと下北沢のお店とオンラインでしか販売してなかったものが、再リリースとなったみたい。2005年発売。

元サニーデイサービスだし、下北沢だしってことでサブカル臭が強そうな偏見を持ちがちだけど、聴いてみるとすごくいいアルバム。①かげろうの優しさにまずうっとり。

下北沢は1回くらいしか行ったことがない。しかも行ったときどうだったかという記憶がない。昔は吉祥寺近くに住んでいたから、井の頭線で1本だったというのに、全然行かなかった。やはりサブカル臭がきつそうで敬遠してたんだな。音楽と一緒で食わず嫌いはいかんな。そうこのCDを聴きながら思う。

②七月の宇宙遊泳は10分を越える大作。これを聴いていると創作意欲にあふれまくっているのがよく分かる。曽我部恵一は多作だけど、それも分かる。この才能はすごい。

動物に道路の建設?についてインタビューするトラックもある。そういう問題意識で作られたアルバムらしいが、政治的なものではない。④sampoはかわいい曲でありなが、クセになりそうなトラックだ。⑤jelliesはエレクトロニカ的で、声が音に合っている。

落ち着いていて、それていてバラエティーに富んでいて、予想以上にいいアルバムだった。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

キングブラザーズ「13」

2003年発売の6枚目。イメージとしてはギョガンレンズとかマッド3とかのガレージロック。

ガシャンガシャン鳴るギターがとても気分がいい。なんか気だるいなあというときに少し大きめな音で聴くとなおいい。クセがあまりないがから聴きやすい。ギターバンドは数あれどベースにブルースがしっかりあるのが凡百のバンドとの違いか。ようは腰がしっかり据わっているので安定感がる。浮ついていないからライブがよさそうなのも想像できる。見に行ってみたいね。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

V.A.「ニューヨーク・サブウェイ~ソング・フロム・ジ・アンダーグラウンド」

2006年発売。日本盤。16曲入り。ニューヨークの地下鉄で演奏するミュージシャンたちのコンピレーションアルバムだ。ようはストリートミュージシャン。録音は現場ではなくてスタジオでやったみたいだ。

②はサーフミュージック+初期ベックみたいな感じ。ジャック・ジョンソンみたいなね。④はヴィブラフォンをメインに据えたインスト曲。地下鉄通路で演奏を見られたら足を止めたくなるクールな音楽だ。

⑤はラテン系。コンドルは飛んでいくみたいな。日本でも路上演奏でこういうのたまにあった覚えがある。⑥はコーラスグループ。アカペラでやっているので路上でもやりやすいのかも。⑩はジャズ。これが歩いているときに流れてきたらやっぱ足を止めると思うな。落ち着いて聴かせることに注力した演奏。⑫はハイチの音楽。アフリカ的な印象だ。

落ち着いて聴けるいいコンピレーションアルバムになっている。派手な曲がないのは確かで、何度もその1曲だけをリピートして聴くというのはない。ただ、ストリートミュージシャンへの印象は変わる。もしかしたらこんないい音楽をやっているストリートミュージシャンが近くにもいるのかもと期待感が生まれる。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

セブン・マリー・スリー「アメリカン・スタンダード」

1995年発売。アメリカのバンド。輸入盤でデビュー作に当たるらしい。オルタナディブロックというのかな。パールジャム的な印象を持ったね。

今となっては普通のよくあるハードロックということでもある。野太いボーカル、演奏はどっしりとしていて、あわてない。熱血な感じはするけど、これだっていうフックがない。③roderigoはバラードで声がいいのは分かるんだけど、そのまんまというかイメージ通りすぎて言葉が出ないほど。

これはアメリカで人気があったかは分からないけど、日本では売れないタイプだ。この時期の日本で売れるためにはメディアにプッシュされないと知られることもなかったような状況だけど、プッシュしようがない。もうちょっと⑤my myみたいに元気ある曲が多いとよかったかも。

でも久しぶりにザ・アメリカンロックってものを聴いたかも。確かにスタンダードだ。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。