ジーン・ヴィンセント「グレイテスト・ヒッツ」

1950年代のアメリカのミュージシャン。ベストアルバムだけど全10曲で、少ない印象。280円のところを半額セールで買ったからあんまり文句はいえないけれど。

意外にも音質はマシに聴こえる。たった23分なのであっという間だ。ジョン・レノンやポール・マッカートニーが好きだったらしく、ビートルズ登場前のロカビリーをしっかり味わえる。③DANCE TO THE BOPみたいに当時のダンスホールなんかで演奏されて、若者が踊っている姿が目に浮かぶよう。目に浮かぶといっても映画で見たような知識だけれども、まあこのイメージの音楽である。

安いからいいけど、ベストアルバムならもっと曲数のあるものを探した方がいいかも。

【購入データ】購入店舗=前原店。購入日=2018年12月。

カシオペア「プラティナム」

日本のフュージョンバンドの12枚目。1987年発売。250円でレコードをゲット。帯付き。

想像通りのフュージョンという感じ。80年代というかちょっとバブルな時代のBGMで使われていそうだ。特に夏。昭和の時代の夏の砂浜のイメージ映像で使われそうな感じ。

想像通りということは期待を裏切らないということでもある。心地よい気分で1枚を聞きとおせる。B面の3曲目がベストかな。ラテンなノリがあって、ゾクゾクする。

ジャケットもレコード盤もきれいで、ブックオフレコードの中では美品といっていいだろう。ビニールカバーというかジャケットを入れる透明の袋がついていてよかった。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2019年2月

アタリ・ティーンエイジ・ライオット「delete yourself」

バンド名とデジタルロックであることは知っていたが、①スタート・ザ・ライオットから笑ってしまった。想像とは違うデジタルロックだった。ものすごく人間臭さいのだ。

発売は1995年。ドイツのバンドだそう。安っぽいデジタル音に人間のシャウト。ただそれだけなのに血がふつふつとだぎってくるような熱さを覚える。洗練という言葉からはかけ離れている。デジタルなのに小奇麗さがない。楽器を弾くより荒々しい表現ができている。

⑦はライブ曲だが、まるでマッド・カプセル・マーケッツだ。いや、マッド~がアタリっぽかったと言うべきか。⑩はシャム69の曲を利用。そういうえば、このシャウトはオイ!パンクっぽいね。デジタルとオイ!パンクの融合というのは分かりやすい表現かもしれない。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年10月。

アーバンホームズ「JAMS」

2016年発売。日本盤、帯付き。ドイツの「ダンサンブル・バンド」と帯に書いてある。発売して2年で280円コーナーとはどういうことかと興味を持って購入。もともとの定価が2200円なので、安くなりがちではあるが気になったのだ。

なんか絵に描いたようなダンスミュージックバンドという感じ。奇をてらうことなく、ストレート。ミニマルなところがいい。聴き込むと言うよりは部屋のBGMとして流しておきたい。すでに何度か聴いたが、聴くごとにスッとしみこんでいく。聞き流せてしまうところはプラスマイナス両面ありそう。

正直目新しさとか、どうしても何度も繰り返し聴いてしまうようなところもない。サッと聴けるのがいいところだ。

【購入データ】購入店舗=小倉旦過店。購入日=2018年12月。

ルースター「ルースター」

ロンドンのバンドのデビュー作。2005年発売。

ガレージロック・リバイバルとは一線を画す内容。スタジアムロックを意識したハードなロックサウンドだ。イギリスらしさよりもアメリカンな印象。正直、この時代に、つまり2005年当時のことだが、この音が求められていたっけと驚いてしまう。それくらい王道すぎる内容なのだ。当時はガレージっぽいか踊れるかに分かれていたように記憶している。

④のようなバラードを聴くとボーカルの声のよさを実感できる。声はウリのひとつだろう。演奏は手堅い。アコースティックな楽器を取り入れているのもgood。本当にどこまでも王道ロックを突き進んでいく。⑥みたいなハードロックは過去にもいっぱいあったんじゃないか。本当にハードロックが大好きなんだろう。迷いはない。同時に特徴も薄い。

ガレージロック・リバイバルのなかでニッチなところを狙ったのかもしれないが、2007年には解散してしまったそうだ。やはり時代が求める音ではなかったんじゃないか。

【購入データ】購入店舗=長住店。購入日=2019年1月。108円コーナーでゲット。

ザ・サブフェイズ「オール・オア・ナッシング」

ロンドン出身のバンドのセカンドアルバム。発売は2008年。日本盤、帯付き。3人組でメインのボーカルが男性で、そこに女性ボーカルも加わってくる。①ガールズアンドボーイズはハードロックバンドみたいなイントロで想像と違った。このバンドについての情報はまったくなかっただけにビックリ。

パンクなガレージサウンドを想定していたけど、そんなことはない。へヴィでハードだ。帯には「ロックンロールの原石」とあるが、ハテナだ。原石というよりはすでにあるロックンロールを磨いたものじゃないか。原石というには整いすぎている。

②カリフォルニアの甘いメロディーがいい。どの曲でも感じるがベースがきっちり聴こえる。弾いているのは紅一点の女性なんだとか。⑤ムーヴ・トゥ・ニューリン、⑩ストロベリー・ブロンド、⑫ロスト・ボーイのようなアコースティックな曲も似合っている。正直、ハード寄りなシングル曲よりもいい。

ニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズをプロデュースしたブッチ・ヴィグの手によるアルバムだからかのか、ロサンゼルスでレコーディングされたからなのか、UKロックというよりUSロックな手触りがする。歪んだギター主体でどこかカラッとしたところがある。特に前半がそうで、⑧以降には逆にUKロックっぽさを感じる。まあ、UKだUSだなんて勘違いみたいなもんかもしれないけど。

⑧ターンアラウンドなんかはブルースをこのバンド独自に発展させたみたいで聴き応えがある。唯一無二のバンドとは思わないけど、3人でやっているにしてはクオリティは高い。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年5月。

ザ・ケミカル・ブラザーズ「カム・ウィズ・アス」

ケミカル・ブラザーズの2002年発売4枚目。前作の「サレンダー」が大傑作だっただけに、楽しみな1枚だった。

家でヘッドフォンで聴く音楽じゃないなという印象。②it bigan in afrikaはアフリカ音楽にアクセスしやすくなった今の時代からすると、本場のアフリカ音楽を聴けばいいじゃないかとは思うが、ノレる。続く③ギャラクシー・バウンスの重さが心地いい。④スター・ギターがこのアルバムのハイライトになるのだろう。キラキラしていて分かりやすいのがいい。

ただ、トータルとしては地味めな曲の方が多いかな。一聴して引き込まれてしまうほどのパワーを持った曲は「サレンダー」よりない。ダンスミュージックというよりポップさが強い。特に⑨pioneer skiesにそう感じた。これは踊るよりもうっとりしたい。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年5月。

WANDS「ピース・オブ・マイ・ソウル」

1995年発売の4枚目。「世界が終わるまでは」と「シークレット・ナイト」「ジャンピン・ジャック・ボーイ」がシングル曲。ポップさよりもロック色が強くなったアルバムとよく言われているみたいだ。

あとから振り返ればWANDS後を占う内容になっている。当時、「シークレット・ナイト」や「セイム・サイド」をいいと思ったから、ロック色が強くなることには期待を持っていた。が、主要メンバーが脱退。そのメンバーが結成したのがアルニコ。セイム・サイド以降にありえただろう音で、本人たちのやりたいことがそれだったわけだ。

②ラブ&ヘイトはまさにWANDSといったポップ路線。アルニコが残念ながらWANDS並みの成功をしなかったことを思えば、ファンが求めていたのはこういうポップ路線だったのかも。確かアルニコのシングルはリアルタイムで買ったような記憶がある。若干ナナメ上と感じたのも確かだ。いや、それ以上にビーイングを離れたことが宣伝面でも大きかったのかもしれない。

④ドント・トライ・ソー・ハードはバラード曲。上杉昇の声はすばらしい。まあ上杉昇は今でも活動しているので、そちらをチェックしたい。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年2月。

スガシカオ「sweet」

1999年発売の3枚目。スガシカオのCDはデビューアルバムを高校生のときに新品で買って以来。黄金の月という曲を筆頭にかなりいいアルバムだった。このアルバムも統一感があっていい。

①あまい果実はストーカーみたい。1stの名残りがあって、スガシカオ節という感じ。多くの曲がファンクの要素を取り入れていながら、歌謡曲とはいかないまでも歌モノになっている。なかなかありそうでない。歌詞は大人チック。性的な歌詞は年を取れば取るほどどうでもいいと思えてくるが、人間関係におけるすれ違いというか相互理解ができないことを冷静に受け止めている態度の歌詞は、大人を感じさせる。

⑥夜明け前のようなザ・スガシカオという曲もいいが、④ふたりのかげ、⑦師走のようなファンク色の薄い曲がいいアクセントになっている。黄金の月のような名曲はないが、個人的には④がこのアルバムのベストトラック。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年10月。280円コーナーの常連。

 

ランシド「life won’t wait」

パンクバンド・ランシドの4枚目。1998年発売。輸入盤。当時、モヒカンとか鋲付き革ジャンとか典型的なパンクスのイメージを放っていた印象。こうして聴いてみると、単純にスピードのあるパンクソングというのとは違う。②の時点で結構ストレートなロックンロールだ。ザ・クラッシュの影響を感じさせる。特にロンドン・コーリングだ。イメージとしてのパンクに捕らわれない。ボーカルの声はショー・ストラマーっぽい瞬間がある。

どの曲もかっこいい。22曲もあるからクオリティの差が激しいかと思ったらそんなことなかった。⑧はオシャレさとノスタルジーが同居している良曲。ただアルバムとして考えると22曲はやはり多い。半分とはいわないが、14曲くらいに収めていたら、もっと何度も聴きたいアルバムになっていたろう。長いのはダメなのだ。

もっとほかにもランシドのアルバムを買いたくなる。それくらいいい1枚。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年9月。