22−20s「シェイク/シヴァ/モウン」

2010年発売、日本盤、帯付き。全14曲で最後4曲がライブバージョンのボーナストラック。このアルバムから6年ほど前にデビュー。そのときはブルーズを現代に押し出した個性的なバンドとしてプッシュされていた。なかなかの骨太なサウンドを聴かせるバンドだったのを覚えています。

以前、これと同時期のミニアルバムを紹介しましたが、これはフルアルバム。一聴したときは、ずいぶんとポップになったんだなあと。それから何度も聴いていくうちに、これはアリかもと思えてきました。確かにブルーズ要素は薄まったけど、なくなったわけじゃない。特にこれって1曲は7曲目の4TH FLOOR。ポップでありながら懐かしい古いロックンロールを思い起こさせるメロディー。癖になりそう。

一回ハマってしまうとどの曲も抜け出せない沼のように思えてくる。ライナーノーツをせっかくだからと読んでみたけど、当人たちはブルーズというイメージを持たれるのに疲れていたよう。一度解散してからの再始動だそうで。そういう経緯があるなら前作にあった重いイメージがなくなっているのもうなずける。意図してそうなんだから。

で、結局今はどうしているのだろう。調べたら2013年に再度解散しているみたい。12年には3枚目のアルバムを出しているので、それを聴いてからもう一度振り返りたい。成長なのかはともかく、本人たちは苦悩しながら作り上げたのでしょう。それでも後味よくすっきりした気分で聴ける一枚になっています。

【購入データ】購入日=2020年、購入店舗=吉祥寺だったかな。購入報告で紹介していたはず

ロザリオス「ゆうれい船長がハナシてくれたこと」

2005年発売、8曲入り。元ブランキー・ジェット・シティーの中村達也氏のバンドの4枚目のアルバム。

ブログでは過去2枚のアルバムを取り上げていますが、やはりいいものです。基本は歌なしのインスト曲なので、そこで合う合わないがあるのかもしれません。

ありがちな表現になりますが、大人っぽい雰囲気があります。といってももちろんAORのようなものでは全然なく、激しさがちゃんとある。ヒリヒリとした切迫感があって、聴いていてこっちも集中してしまう。過去作との差で気になるのはサックスの不在。これでジャズではなくロック色が強くなっているのかも。

どの曲がというよりトータルで聴きたい。しいて挙げるなら①や②だろうか。前半の曲はやはりツカミになっていますね。中盤の⑥はドラムを楽しめます。

ロザリオスのアルバムを聴いているとライブではどうなんだろうと気になってしまう。昨年はライブに行けるチャンスがあったのに、新型コロナウイルスの影響で行く予定のライブが中止になってしまった。いつか生で聴きたいものです。

【購入データ】購入日=2018年? 購入店舗=? すいません、あまりにも前なので忘れてしまいました。これまでに扱ったロザリオスのアルバムが天神購入なので、たぶん福岡だと思います

ボン・ジョヴィ「クラッシュ」

2000年発売。イッツ・マイ・ライフ収録。コマーシャルにも使われたし、何人かの野球選手が登場曲に使ったし、なかやまきんに君が使ったこともあるし、とにかく突出して有名な曲ですね。で、やっぱり素晴らしいです。

2曲目もミディアムテンポのいい曲。3曲目でいきなりバラード。このようにバラエティー豊かな感じ。ハードロックだけどハード過ぎず、柔軟さがあります。似たようなハードロックバンドは過去にいっぱいあったと思いますが、やはりメロディーのよさとボーカルの声がいいんですかね。あと、メロディーに懐かしさがあります。言い換えるとどこかで聴いたことがあるようなってことですが、そこはあまり問題にはなりません。アレンジは大人しいというか、あまり凝った感じはなく、ストレート。

有名なバンドですが、アルバムを買って聴くのは初めて。聴かず嫌いはよくないですね。気軽に手を出せるのが290円のいいところです。

290円であるかどうかは謎ですが、大阪のライブ音源がついたバージョンがあるそうです。

【購入データ】購入日=2020年、購入報告にあります

ディアゴ・イオルク「レット・ユアセルフ・イン」

2008年発売、日本盤。全12曲、ラストがボーナストラック。ビートルズのカバー「チケット・トゥ・ライド」が入っています。

ブラジルの当時23歳によるデビューアルバム。ブラジルというとラテンのノリだとかボサノバだけど、そんなんじゃないです。美メロな歌ものです。なんとなくジェームス・ブランドを思い起こしました。

1曲目から耳に残る美メロ。加えて録音の良さを感じます。丁寧に作ったんだなと思いますね。曲調は落ち着いたポップソング。激しいわけではないし、リズム重視というのでもない。とにかく聞きやすくて、日曜日の午後にまったりしている時に流したい感じ。ドラムがいい感じですよ。

個人の好みはあるでしょうが、一聴して素晴らしいと思えたので、買って損はないのでは? 確かに新しい種類の音楽というわけではないでしょう。でも、この声とメロディーを聴いているとうっとりしてしまいます。

【購入データ】購入日=2020年、購入報告の項目にあります

THE TAKE OVER UK 「ランニング・ウィズ・ザ・ウェイスターズ」

2010年1月発売。日本盤、帯付き。

名前はUKだけどアメリカのバンド。四人組のロックバンドのデビューアルバム。とんでもなくポップでありながら、激しさを持ち合わせた古き良きロックンロール。アルバム本編は13曲、ボーナストラックが3曲。ちょっと曲数が多いかなとも思うが、粒揃いだ。

1曲目から楽しい。60年代テイストというのも違うけど、昔のロックンロールを下地としているのは間違いなく、ザ・ストロークスを思い起こさせる。

残念なのはこれだけの素晴らしいデビュー作を残しておきながら、その後パッとしないこと。ウィキペディアを読むと、英語版しかないけど、どうやら2011年に解散したらしい。本当に残念としか言いようがない。

昨年2020年に買った290円CDの中ではベスト3に入るくらいのいいアルバムだった。冒頭3曲か4曲かを聴いて合わなけれがしようがない。

【購入データ】購入日=2020年7月、購入店舗=吉祥寺

スリップノット「アイオワ」

2001年発売、アメリカのヘヴィメタルバンド。怖いマスクしてライブしている映像を見たことがあります。当時、この手のヘヴィメタルバンドが多かった印象です。

有名なのは②ピープル=シットでしょう。しかし、それ以外の曲もいいです。③で一瞬見せる歌ウマなボーカルも良い。そもそも声がいいんでしょうね。で、よくよく聴けばちゃんとメロディがあるというか、ポップさがあるんですよ。

ヘヴィメタルといえばちょっと前にはベビーメタルはメタルか論争みたいなのがメタルファンの間であったといいますね。このアイオワを聴けば、ベビーメタルはヘヴィメタルだと思いますよ。ポップさという共通点があるもの。もしかしたら生粋のメタルファンはスリップノットすら認めてなかったのかな。それなら話は別ですが。

②から⑥まで怒涛のテンションが続きます。⑦で一旦抑え気味になります。⑧は歌モノかってくらい聴きやすい。

難点はボーナストラック含め全15曲は長いこと。1曲1曲が重いだけにもう少し短くてもいいかな。

【購入データ】購入店舗=荻窪店、購入日=2019年

ハイヴス「ティラノザウルス・ハイヴス」

スウェーデンのガレージバンド。2004年発売のアルバムで日本盤。日本である程度有名になってからの新作だったと記憶しています。

何も考えずにただ楽しめる。同時にバンド自体はものすごく計算しているのだろうという知的さが伺える。ただ楽器をボリューム上げて鳴らしているというのでは全然違いますね。

特にいいと思ったのは①スピード感、②演奏がすごく噛み合ってる、⑤ただ速いだけじゃないのもできる、⑩不穏な感じがする、12複雑なところがある。

パンキッシュだけどパンクというよりガレージと言いたい。熱いけどクールさがある。どの曲もポップさがあるから、捨て曲がないのもいい。買って損はないはず。

【購入データ】購入店舗=天神、購入日=2018

ラヴェル「ボレロ他」

クラシック。指揮者はエルネスト・アンセルメ。演奏はスイス・ロマンド管弦楽団。発売は1981年のCDだそう。メーカーはエコー・インダストリー。収録曲はボレロ、道化師の朝の歌(鏡より)、スペイン狂想曲、優雅で感傷的なワルツ、ラ・ヴェルス。録音は1958、61、63年。

エコーインダストリーを検索すると「海賊盤」がキーワードに出てきてドキリとするけど、ネット曰く著作隣接権を考慮したCDなんだとか。駅で売ってたようなCDをイメージしてもらえるといいのかも。「海賊盤」というわけではなさそうです。

ボレロは聴けば、ああこの曲知ってるとなるはずの曲。後半にいくにつれて盛り上がる。このCDでも体感できます。道化師の朝の歌(鏡より)も同じく聴けば、ああ聴いたことあるとなるでしょう。メリハリが効いていて好きです。

ヘッドホンで聴いてますが、もうちょっと音が全体的に前に出てきてもいいかなと思えますが、極端に悪いものではないと思います。自分はクラシックに詳しいわけではないので、クラシック好きからしたら不満足かもしれませんが、初心者にとっては全然OK。

スペイン狂想曲をボリュームを大きくして聴きましたが迫力あっていい。それは他の曲でも同じでした。ラ・ヴァルスを聴いてるとホールで踊っている人たちが浮かんでくるよう。付属の解説にもそう書いてありましたが、本当にそう思える。

海賊盤といえど悪くないと思います。ボレロのためだけに買ってもいいでしょう。

【購入データ】購入店舗=荻窪、購入日=2019年

アンダーワールド「バーキング」

2010年発売の6枚目。日本盤帯付きのデラックスエディション。DVDが付いてくるので、デラックスエディションがおすすめ。過去のDVD「エブリシング、エブリシング」にも関わっていたデザイン集団「Tomato」が今回も関わっているだけに期待大。

アルバムの曲はかなりおとなし目が多く、歌モノとすらいえそうなものもあり、踊らせるというより聴かせる感じ。そこに映像が加わると、高揚感とか恍惚感が生まれるから不思議。接写を多用してなんでもないものに非日常感を出したり、ぼんやりとした加工をして白昼夢感を出したり。うっとりするほど綺麗でもある。ぜひDVDを見てほしい。

で、歌モノといったけど特に⑦diamond jigsawがそう。ストレートなポップソングだ。着ぐるみみたいなのが出てくる映像もコミカルだ。⑨louisianaなんてバラード。後半に展開がある?と思ったらそれもなし。

いつもと違うアンダーワールドが楽しめる。

【購入データ】購入店舗=吉祥寺。購入日=2020年。ぼちぼち見かける一枚

ザ・ブーム「ザ・ブーム2」

1997年発売のベストアルバム。島唄で有名なバンドだけど島唄は入ってません。でも、いいんです。「手紙」が聴きたかったから。

収録されているのはワールドミュージックを取り入れた時期の曲が多い。③ブランカや④風になりたいがシングルだったし分かりやすいでしょう。正直、④のためだけに買ってもいいと思うくらい。ただ、大学時代、友人はこの曲を好きではなかったんですよね。万人向けではないのかも。いや、でもいい曲でしょう、ほんと。

ブランカを久しぶりに聴いたけど、ワールドミュージックのテイストを入れつつもちゃんとJ−POPしてるんですよね。このセンスはすごい。地味っちゃ地味なんですよ、この曲。④もそう。なんだかんだってポップだし、「何一ついいことなかったこのまちに」の歌詞も好きですよ。明るいサンバ調とは違って哀愁があって、日本流になってる。

⑦TOKYO LOVEはジャズチック。聴きごたえはある。⑩TIMBAL YELEはスペイン的。ほんといろんなところから吸収してる。

で、一番聴きたかったのが最後の手紙。これは歌というより独白。ポエトリーリーディングというのかな。中学生の頃だったかラジオで聴いて衝撃的だったね。ワールドミュージックを取り入れるバンドだけど、ここではロックンロールへの愛を語っている。ベースはそこにあるんだろう。それを確認できる曲であり、ロックンロールが好きな人なら分かるだろう。

タワーレコードのページはこちら↓

https://tower.jp/artist/209927/THE-BOOM

【購入データ】購入店舗=吉祥寺、購入日=2017年2月