曽我部恵一「スケッチ・オブ・下北沢」

もともと下北沢のお店とオンラインでしか販売してなかったものが、再リリースとなったみたい。2005年発売。

元サニーデイサービスだし、下北沢だしってことでサブカル臭が強そうな偏見を持ちがちだけど、聴いてみるとすごくいいアルバム。①かげろうの優しさにまずうっとり。

下北沢は1回くらいしか行ったことがない。しかも行ったときどうだったかという記憶がない。昔は吉祥寺近くに住んでいたから、井の頭線で1本だったというのに、全然行かなかった。やはりサブカル臭がきつそうで敬遠してたんだな。音楽と一緒で食わず嫌いはいかんな。そうこのCDを聴きながら思う。

②七月の宇宙遊泳は10分を越える大作。これを聴いていると創作意欲にあふれまくっているのがよく分かる。曽我部恵一は多作だけど、それも分かる。この才能はすごい。

動物に道路の建設?についてインタビューするトラックもある。そういう問題意識で作られたアルバムらしいが、政治的なものではない。④sampoはかわいい曲でありなが、クセになりそうなトラックだ。⑤jelliesはエレクトロニカ的で、声が音に合っている。

落ち着いていて、それていてバラエティーに富んでいて、予想以上にいいアルバムだった。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

キングブラザーズ「13」

2003年発売の6枚目。イメージとしてはギョガンレンズとかマッド3とかのガレージロック。

ガシャンガシャン鳴るギターがとても気分がいい。なんか気だるいなあというときに少し大きめな音で聴くとなおいい。クセがあまりないがから聴きやすい。ギターバンドは数あれどベースにブルースがしっかりあるのが凡百のバンドとの違いか。ようは腰がしっかり据わっているので安定感がる。浮ついていないからライブがよさそうなのも想像できる。見に行ってみたいね。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

V.A.「ニューヨーク・サブウェイ~ソング・フロム・ジ・アンダーグラウンド」

2006年発売。日本盤。16曲入り。ニューヨークの地下鉄で演奏するミュージシャンたちのコンピレーションアルバムだ。ようはストリートミュージシャン。録音は現場ではなくてスタジオでやったみたいだ。

②はサーフミュージック+初期ベックみたいな感じ。ジャック・ジョンソンみたいなね。④はヴィブラフォンをメインに据えたインスト曲。地下鉄通路で演奏を見られたら足を止めたくなるクールな音楽だ。

⑤はラテン系。コンドルは飛んでいくみたいな。日本でも路上演奏でこういうのたまにあった覚えがある。⑥はコーラスグループ。アカペラでやっているので路上でもやりやすいのかも。⑩はジャズ。これが歩いているときに流れてきたらやっぱ足を止めると思うな。落ち着いて聴かせることに注力した演奏。⑫はハイチの音楽。アフリカ的な印象だ。

落ち着いて聴けるいいコンピレーションアルバムになっている。派手な曲がないのは確かで、何度もその1曲だけをリピートして聴くというのはない。ただ、ストリートミュージシャンへの印象は変わる。もしかしたらこんないい音楽をやっているストリートミュージシャンが近くにもいるのかもと期待感が生まれる。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

セブン・マリー・スリー「アメリカン・スタンダード」

1995年発売。アメリカのバンド。輸入盤でデビュー作に当たるらしい。オルタナディブロックというのかな。パールジャム的な印象を持ったね。

今となっては普通のよくあるハードロックということでもある。野太いボーカル、演奏はどっしりとしていて、あわてない。熱血な感じはするけど、これだっていうフックがない。③roderigoはバラードで声がいいのは分かるんだけど、そのまんまというかイメージ通りすぎて言葉が出ないほど。

これはアメリカで人気があったかは分からないけど、日本では売れないタイプだ。この時期の日本で売れるためにはメディアにプッシュされないと知られることもなかったような状況だけど、プッシュしようがない。もうちょっと⑤my myみたいに元気ある曲が多いとよかったかも。

でも久しぶりにザ・アメリカンロックってものを聴いたかも。確かにスタンダードだ。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

テッド・レオ・アンド・ザ・ファーマシスツ「リヴィング・ウィズ・ザ・リヴィング」

2007年発売。日本盤で帯付き。全然知らなかったけど、しっかりした日本盤の作りで驚く。帯にはパンクロックとあったので、そのイメージを頭に浮かべて聴いたのだけど、それは間違っていた。

メロディも音もポップな感じ。しかし、前半はすごく凡庸に聴こえて退屈だった。帯のパンクロックというのがダメだった。先入観を持つことになってしまった。

しかし、⑧la costa bravaから変わった。この曲はどこかで聴いたことあるようなメロではあるが、クールでかっこいい。その後に続く曲もそれまでよりもよく聴こえる。パンクという前提を取り払うことができれば、ポップなギターロックとしてちゃんと聴ける。

ただ個性が薄いとは思う。280円じゃなくて新品でよく分からず買っていたら、う~んとうなっていたかもしれない。悪いわけじゃないけどね。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年11月。

マニック・ストリート・プリーチャーズ「ジェネレーション・テロリスト」

1992年発売のデビューアルバム。日本盤。今でこそイギリスを代表するバンドになっているけど、この当時はそうとうとがっていたみたいだ。その象徴がリッチーというギタリスト。デビューアルバムを世界各国で1位にすると宣言して、腕にナイフで「4REAL」と刻んでケガをしたエピソードが有名。その後、リッチーは疾走し、2008年に死亡宣告されている。どこかに消えてしまったのだ。

そんなエピソードを知った上で聴くと、そんなにトゲトゲしくないのに驚く。とってもメロディアスだし、ボーカルの声がいい。攻撃的なところはあるけれど、センチメンタルな気さえする。思春期的という意味ではやはり4REALといっていい。

④motorcycle emptinessはその後の音楽性にも繋がるメロディアスな1曲。世界各国で1位を狙うなら曲数が多すぎるんじゃないか。ボーナストラック入りで全19曲。オリジナルは18曲ということかな。やはり多すぎる。曲はそれぞれいいよ。

それにしても92年でこのクオリティとは。その後にブラーやオアシスが出てくるけど、それらよりもいいんじゃないか。いや、ブラーもオアシスも好きだけど。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2018年10月

22ー20s「latest outtakes」

2010年発売、日本盤。6年ぶりのセカンドアルバムが出たころのもので、アルバム身収録曲が6曲、アコースティックバージョンが2曲の計8曲入り。

デビュー当時に出たミニアルバムだったかライブCDだったかデビューアルバムだったか、はたまたその3つともだったか忘れたが、すごくよかった。ブルーズの現代版解釈が見事にはまっていた。ブルーズのはずなのに時代を感じさせなかった。とはいえやはりブルースそのものだった。

で、このアルバムなのだけど、ずいぶんと変わっていた。聴きやすくて、かなりポップに出来上がっている。荒々しさはない。それがいいと思うか、退化したととるかは人それぞれではあるが、ちょっぴり残念に思ったのは事実だ。ブルーズとかガレージとかいうのではなく、メロディアスなギターロック。メロウになったから、こっちの方がいいと思う人もいるだろうが、この手のバンドならほかにもいて競争力が激しいんじゃないか。一体、バンドに何があったんだろう?

【購入データ】購入店舗=分倍河原店。購入日=2019年5月。

ベル&セバスチャン「ライト・アバウト・ラブ」

2010年発売。グラスゴー出身のバンドでこれは8枚目にあたる。ゲオで350円。まとめ買いで安くなったかは覚えてないけど、セールの時期だったら安くなっていたはず。

音も声も心地がいい。優しく響く感じ。骨太なロックサウンドというものでは全然なくて、線が細いのだけど不安定さはぎりぎりない。①でいいと思えば最後まで気に入るはずだ。

④はなぜだかヒリヒリする。何かに追われているような焦燥感がある。別のアルバムを持っているけど、あまり大きく変化はしていない。する必要もない。いつ聴いても優しいギターポップで、いいメロディーを味わえる。年齢不詳なところがある。

高校生のとき、友達の友達がこのバンドを好きだったのを思い出した。バンドのイメージはそのころから変わっていない。

【購入データ】購入店舗=ゲオ西新店。購入日=2018年12月。

ブリトニー・スピアーズ「GREATEST HITS:MY PREROGATIVE」

2004年発売。お騒がせなスキャンダルのイメージが強いブリトニー・スピアーズのベストアルバム。これは輸入盤だが、日本盤はミリオンセラーになったらしい。

有名曲のサビくらいは知っていたつもりだけど、1曲丸々聴いたことがなかったので買ってみた。そんな気軽な気持ちだったけど、2曲目のTOXICでヤラれた。当時から聴いたことある人には今さらなことだが、この曲のかっこよさはすばらしい。何度もリピートしてしまった。ちょっとカイリー・ミノーグっぽいところもある。この1曲だけでも買ったかいがある。それほど本当にいい曲なのだ。15年前の曲とはいえ今でも攻撃的に聴こえる。

ライブ映像を見たくてユーチューブで探したら、コメント欄に口パクの指摘ばっかりあって笑ってしまった。それでも映像の中でファンの人たちは楽しそう。映像を見ていても凝ったセットでエンターテイメントしている。いろいろスキャンダルはあったがやはりポップアイコンなのだ。

ほかの曲も聴いたけど、ドライブによさそう。⑪sometimesみたいなミディアムテンポな曲も合っている。⑰I love rock7

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年10月。280円コーナーでよく見かける。

ナイル・ロジャース「chic freak and more treats」

ナイル・ロジャースは名前は聴いたことあるけどよく知らない人だった。ギタリストでありプロデューサーでありとマルチにやっているみたいだ。

シックというファンクバンドをかつてやっていて、このアルバムはそのバンドの曲を再結成してカバーしたものらしい。1996年発売。シックは1977年デビューでディスコブームで活躍したという。当然、曲はディスコナンバーだ。

②ダンス、ダンス、ダンスのノリがいい。どっかで聴いたことあるギターの感じ。ダフトパンクのゲット・ラッキーみたい。というかそれもナイル・ロジャースが弾いているのか。とにかく踊ろうよという能天気さにあふれている。⑤アップサイド・ダウンにはtrfっぽさがある。

とにかくダンス曲で攻めまくる13曲。これは果たして家でじっくり聴いていていいもんだろうか。ぜひともノリノリで聴きたい。少し酔っているくらいがいいんじゃないか。あと、意外にナイルロジャースのギターが少ない。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年5月。