ザ・ジェ-ムス・ハンター・シックス「minute by minute」

ジャケ買い。紙ジャケでオッサンたちが階段の踊り場でたむろしているモノクロの写真が使われている。デザインと合わせて、ベテランのこなれた音楽なんじゃなかろうと想像。佐野元春とかそんな感じかなあと。

発売は2013年。なのに音は1960年前後からやってきたみたい。ネットで調べてみると、バンドの中心人物であるジェームス・ハンターはヴァン・モリソンが「最高の声の持ち主」とほめたほどの実力者だそうだ。ソウルとかリズム&ブルースを得意とする歌い手なんだって。確かにしゃがれた声はすてき。④ハートブレイクはとてもいい曲だ。

このアルバムを聴いていると米パンクバンドのグリーンデイが覆面バンドとして出したCDを思い起こす。60年代風のロックンロールをやっていて、ああ、この曲の元ネタはあれか~なんて気付く人には分かる内容だった。それはそれでよかったけれど、だったらオリジナルを聴いた方がいいんじゃないかという疑問もあった。モノマネを聴く必要もないわけだ。

このアルバムが60年前後のソウルミュージックと比べてどうかっていうのは分からない。その辺の音楽の知識が足らないからなんとも言えない。ただアルバム時代はとても聴きやすく、飛ばしたくなる曲もない。ジャケットからイメージできる音でおおむね満足。強いお酒を飲みながら聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年5月。輸入盤。メイドインEU。全12曲。

ミッシェル・ポルナレフ「ポルナレフ・ベスト」

有名な「シェリーに口づけ」を含む全23曲のベストアルバム。曲は知っていても誰の曲なのか知らなかった。280円コーナーで見つけたときは、ジャケットが60年代、70年代風だなと直感。スマホで調べてから購入することに。

たくさん曲が入っていてお得感たっぷり。①シェリーに口づけがいきなりのクライマックスだけど、最後まで十分に楽しめるほど曲が多彩。すべての曲に邦題がついているように、70年代の日本ではすごく有名人だったそう。日本の音楽シーンもこのフレンチポップにたくさんの影響を受けたでろう。日本の歌謡曲が参考にしたんじゃないかと思える曲③愛の休日もある。こんなアレンジの歌謡曲、ありそう。

50年近くまえの日本でどうしてフレンチポップがはやったのだろう。このアルバムを聴きながら思うのは、曲のかわいさ。日本にはかわいいものを愛でる文化があるけど、ミッシェル・ポルナレフの曲たちはまさにかわいがられる対象にぴったり。英語じゃなくてフランス語というのもかわいい印象を強くさせている。79分の収録時間を心軽やかに過ごせる音楽がいっぱいだ。午前11時ごろに聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=福岡福重店。購入日=2018年5月。日本盤。帯なし。

 

ザ・レイ・エリントン・カルテット「THAT‘S NICE!」

280円コーナーのほとんどはポップスとロックで占められていて、ジャズとクラシックやその他ワールドミュージックは数が少ない。そんな中からジャケットが気になったものをポイポイと買ってみた。

レイ・エリントン。ジャケットは赤と黒の配色で、下着の女性が写っている。左端にはレイ・エリントンと思われる人物の顔写真が縦に3つ並ぶ。女性の写真と並ぶといやらしそうに見える。パッと見で時代が古そうな感じがしたので、そういう音を期待して聴いたらバッチリ。

このレイ・エリントンという人はドラマー兼ボーカルで、このアルバムは1959年に録音されたものだそう。「ジャズ」のイメージ通りの演奏を聞かせてくれる。ピアノはパンクみたいな激しさがあり、ギターはゴキゲンな感じで音を出しまくっている。聴いていて楽しくなってくる音楽だ。

のちの時代になるとジャズは大衆性を失ってしまうけれど、このアルバムにはジャズがポップスだったことがしっかりと刻まれている。たった280円の割には何度でも聴けるほど。休日の午後に聴いていたい1枚って感じ。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年5月。輸入盤。状態はきれい。

ザ・ハイロウズ「タイガーモービル」

初回限定盤という言葉に惹かれてしまうのはどうしようもないサガなんだろうか。このCDの初回限定盤はなんと虎皮使用。獣の毛の触り具合がたまらない。これが280円になっちゃう時代なんですね。

①②はパンキッシュでテンポの速いロックンロール。ガンガンにノれるし、トバしてる。ただ、ハイロウズのコンセプトは③以降にあると思う。特に④アレアレはブルースな空気感もあって、横ノリできる。その後もチャック・ベリーやジェリー・リー・ルイスみたいな1960年前後のロックンロールや、ザ・フーみたいな曲が続く。

ハイロウズはブルーハーツとはやっぱり違う。自分たちが大好きなロックンロールを楽しくワイワイやろうぜというのがバンドのコンセプトなんだと思う。歌詞の意味は深読みしてもいいし、聞き飛ばしてもいいだろう。あまり考えすぎてもしようがない。バンド側も肩の力を抜いているんじゃないか。聴いている側も肩の力を抜きたい。

なにはともあれ初回限定盤だ。これが280円で買えるのはうれしい。ちょっと前ならなかったけど、今なら普通なのかな。ロックンロールで元気になりたいときに聴きたい1枚だ。

【購入データ】購入店舗=飯倉店。購入日=2018年5月、ハイロウズのCDはたまに280円コーナーで見かける。

ロバート・ジョンソン「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ VOL.2」

有名なブルースシンガーのロバート・ジョンソンの作品。ロバート・ジョンソンは十字路で悪魔に魂を売って、ギターテクニックを手に入れたなんていう伝説が残っている人物。1930年代に録音されて、このCDのオリジナルは1970年発売。買ったのは期間限定生産1000円のもので、日本盤帯つき。

どの曲もすばらしい。お気に入りは⑥ゼイアー・レッド・ホット。ノリのいい小品だ。この世に残した録音作品が少ないので、その後にでた「コンプリートレコーディング」を買うのもいいかもしれない。ブックオフなら安い値段であった気がする。持っているのにまた買おうとしてしまったくらいに安かった。それくらいロバート・ジョンソンは持ってて損はない。

コンプリートレコーディングスを買ったのは大学生のときで20歳前後だったとは思うが、あんまりピンとこなかった。当時は音楽的視野が狭くて、テンポの速いロックンロール以外は聴けなかったのだ。だけど数年経つと、不思議と聴けるようになっていた。30代半ばともなると、むしろリピートしてしまうくらい。

口惜しいのはVOL.1を見つけていないこと。音楽界の重要人物とはいえ、今の時代ではCDは安くなっている。流通量も多いようで、ブックオフでロバート・ジョンソンのCDを見かける頻度は高い。いい時代なんだなと思う。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年4月。

ザ・ロジャー「グロウン・アップス」

日本盤の帯には「生粋の音楽オタクが生み出した、完全無欠のポップネス」とある。元ファンジン編集長が率いるバンドだそう。

発売は2006。イギリスのバンドだ。冒頭から確かに全開ポップ。ザ・ストロークスからのガレージロック・リバイバルの流れにあると思う。シンプルなロックンロールで美メロ。2分台の曲が多くて、あっという間に聴きおえてしまう。

現在、このザ・ロジャーというバンドがどうなっているかは分からない。セカンドアルバムを同じく280円コーナーで手に入れているので、1枚だけで終わったってことはないはずだ。このアルバムを聴いていると、あまりにもポップなのでそこそこ評価されたのではないかと思うが、売れたという評判も聞かない。

音楽オタクとかファンジン編集長とかいうフレーズが受けなかったのかもしれない。オタクがプロの世界にやってくると、プロの目は厳しくなってしまう面は否めない。オタクとして評論家然としていたヤツがさて何を聴かせてくれるのかとハードルが上がるのだ。漫画「ラーメン発見伝」では主人公がラーメンマニアとプロから何度も言われ、プロとアマチュアには明確に違いがあることが描かれている。うまいラーメンを作れるだけではプロではないというのだ。じゃあうまいロックンロールをできるだけでは…。

こんなことを考えてしまうのは、このアルバムのデキがいい割には、それに見合う評価を得ていないように思えるからだ。なんかアイスクリームを食べながら聴きたい1枚だ。

【購入データ】購入店舗=福岡福重店。購入日=2018年5月。日本盤。ほかの店舗でも280円コーナーで見たことがあるので、常連かもしれない。

the Hondells「Go Little Honda and The Hondells」

ザ・ホンデルズと読むのかな。ジャケットの見た目から1960年代前半のロックバンドと予想。実際にその通りで、これは1stと2ndを1枚のCDにカップリングしたもの。オリジナルは1964年発売。

ビートルズよりもビーチボーイズ寄り。なんたって1曲目のリトルホンダがビーチボーイズのカバーなんだからそりゃそうか。ほかにはテケテケテケしてるベンチャーズっぽい曲、サーフロックって感じの曲がチラホラ。全24曲アルバム2枚分の60年代前半ロックンロールをしっかり堪能できる。もう完全にジャケットから想像できる通りの内容で満足だ。

ちなみにこのバンドはウィキペディアの日本版には項目が存在しない。もちろん英語版にはある。活動期間は1970年までとあり、当時はアルバム2枚しか出していないみたいだ。よく読めば、セッションミュージシャンが集まってスタートしたバンドとある。だから演奏は同年代バンドのなかではできた方なのだろけど、オリジナリティに欠けるせいか知名度はあんまない。

CDについてる英語のライナーノーツには「ホンデルズは1965年に分裂した。そもそもリアルなバンドじゃなかった」「スタジオプロダクトでしかなかった」とある。ようするにちょっとしたお遊びバンドだったわけなんだな、きっと。個性は強くないけど、ノリノリなロックンロールとしては優秀。外に出かけるときに聞きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年5月。輸入盤。あまりブックオフで見ない。

クリーム「カラフル・クリーム」

いわゆるロックの古典と評されるアルバムがブックオフの280円コーナーにあることは、そんなに多くはないが、かといってまったくないわけではない。そうは言ってもこのCDを見つけたときはうれしかった。アマゾンやメルカリでチェックしたけど、280円にはかなわない。ブックオフが一番得だ。見つけられればだけど(ちなみに750円程度でならブックオフでも簡単に見つけられる)。

このCDはエリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーがいたことで有名なクリームのセカンドアルバム。1967年11月発売で、イギリスだけでなくアメリカでもヒットし、ブレイクを果たすことになった。クリームはライブでのインプロビゼーションがすばらしく、ライブ盤が人気。そのなかにおいて、このアルバムはすべてスタジオ録音、全11曲がそれぞれ短く、約35分に収まっている。その分だけコンパクトにバンドの魅力を味わえるのでオススメだ。

これだけの名盤なので曲ごとの感想を述べるのも、なんだか恐れ多い感じ。なるべく大きな音で聴いた方がいいってくらいかな。

近頃はブックオフの経営が厳しいんじゃないかと言われることが多い。アマゾン、そしてメルカリが広まって、ブックオフにものを売らなくなったというのだ。確かに手間さえ我慢すれば自分で値段をつけて売った方が高く売れるはず。それでも、買う側から考えればブックオフはまだまだ捨てたもんじゃない。欲しかったCDが280円で売っていることはまだある。メルカリは買う側からすると高い。ブックオフに売る人がいなくなると困るけど、今はまだ大丈夫そうだ。

鉄板のアルバムで興奮したいときに聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=飯倉店。購入日=2018年5月26日。輸入盤。メイドインU.S.A.。280円コーナーではあまり見ない。

グレイト3「ロマンス」

ギターポップかなと想定して購入。いい意味で裏切られた感じ。

ちょっとサイケデリック。歌詞を大事にしているようで、心のモヤモヤを言葉にしようとしてメロディーに乗せている。もどかしい気持ちを歌にする以上、暗さはあるのだけど、サイケなアレンジがどんよりした気分にはさせない。ただただ浸れる。

発売は1997年6月。21年前というのに驚き。古さを感じない。①から⑤の流れはすばらしい。⑥は小休止のインスト曲。⑦はソウルフル。⑧はエロチック。⑨はあやしげな雰囲気をかもし出すインスト曲で、⑩はこのアルバムの中心曲かな。⑪は遊び心、⑫はカバー。捨て曲がなく、グレイト3のアルバムは初めてだったが、これが最高傑作と呼ばれているのだろうなと思ってしまうほどのデキ。リアルタイムで出会いたかったなあ。

雨の日に聴きたい1枚だ。

【購入データ】購入店舗=六本松店。購入日=2018年3月。グレイト3のCDは280円コーナーでたまに見かける。

マッシヴ・アタック「コレクテッド」

てっきりリミックスCDかと思っていたら、1曲目から知っている曲がそのまま流れてきて、ベストアルバムだと知る。マッシヴ・アタックがベストアルバムを出していたとは知らなかった。あまりらしくない感じはする。

発売は2006年。それまでに発売されていた4枚のアルバムからセレクトされている。新曲は⑭。ボーナスディスク付きの限定盤もある。買ったのは通常盤。

どんなジャンルなのかと表現したくても難しい。ダンスミュージックなかと思いきや、踊るというものでもない。とにかく重く、暗い印象を受けるのだ。とにかく①SAFE FROM HARMを聴けばいい。この曲をいいと思うかどうかで、合うかどうかが分かると思う。それだけ①はキャッチャーなのだ。

初めて1st「ブルー・ラインズ」を聴いたときから印象は変わらない。どうやったらこんな曲を思いつくんだろうって不思議でならない。夢見心地でいながらも、全く逆で冷めてもいる。ポップソングのように聴きやすくはないが、美しさがある。聴くことに集中させる音だ。お気に入りは⑥PROTECTION。

眠れない深夜に聴きたい1枚。

【購入データ】購入店舗=福岡飯倉店。購入日=2018年5月。マッシヴ・アタックのCDを280円コーナーで見ることはあまりない。

【追記】2枚組のスペシャルエディションを280円で見つけた。絶対に2枚組の方がいい。むしろ2枚目こそ聞きたい。見つけたのは日本盤。ライナーノーツには3Dによるディスク2の解説まで付いている。ディスク2の方がすごく聴きやすい。

【購入データ】購入店舗=駒沢大学店。購入日=2019年1月。