V.A.「fuck the border line」

黒夢のトリビュートアルバム。2011年発売で12曲12組のアーティストが参加している。原曲に近いものからアレンジしまくりのものまであって楽しめた。

①少年はよりハードなアレンジになっている。歌は西川貴教。なんかサッズみたいな感じ。②優しい悲劇はシド。結構そのまんま。黒夢が好きなんだろうなって思った。③マリアはプラスティックツリーで、これも原曲に近い。④c.y.headもそう。the GazettEだけど、あんまりアレンジしようがない曲かも。

⑦フェイクスターはライブバージョンの方がなじみがあるけど、これはアルバムバージョンを意識しているのだろう。SUNSOWLfeatYOW-ROWfromGARIという知らない人の手によるもので、ピコピコしている。⑩ビームスは山嵐feat.MOOMIN。かなりアレンジを加えまくってる。ラップ部はオリジナルだ。⑪ライクアエンジェルはライブではラスト曲として定番だった。担当するのはカスケード。出だしの鼻声にびっくりするが、カスケードっぽいアレンジをしっかししていて面白い。

こういうトリビュートアルバムはそのまんまかがっつり変えるかで全然違う。そこが楽しめる。

【購入データ】購入店舗=吉祥寺。購入日=2019年9月。

ザ・ブリリアント・グリーン「テラ2001」

1999年発売のセカンドアルバム。前作がミリオンヒットしたあとだけにプレッシャーもあったのだろうと思うけど、すごくクオリティは高い。全11曲で5曲がシングルA面になっているほど。B面を入れれば7曲。

こういう場合、シングルに入らなかった残りの4曲がどうかが大事だ。③brownie the catは英語詩。①②のシングル曲からの流れを切っていない。⑥セプテンバーレインも英語詩。④⑤も英語詩なので真ん中に固めているのかな。この曲はサビの「セプテンバーレ~イン」がきれい。

⑧round and roundも英語詩。ちなみに⑦も。この⑧はちょい地味な曲かな。⑩cant stop cryinはシングル曲に囲まれている。全曲の中で一番ゴリゴリとしてロック色が強い。けだるいボーカルもgood。ちな英語詩。

前作が暗いというかクールな印象があった分、今作は少し明るくなったみたい。ほとんどが英語詩なのに驚き。いっそのこと全部というのは事務所やレコード会社が許さなかったんだろうか。まあ日本語詞でいいと思うけど。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年9月。280円コーナーではよく見かける。

ソニックユース「RATHER RIPPED」

アメリカの老舗バンドによる2006年発売のアルバム。輸入盤。一時期、ソニックユースにはまった時期があり、もしかしたらすでに所持しているかもと思ったけど買った。280円コーナーにソニックユースを見かける頻度は多くなかったけど、ないわけじゃない。

1曲目から期待通りの音。②はイントロからまさにソニックユースという感じ。歌声もメロディーもそう。聴いていると過去のアルバムを引っ張り出してきたくなる。

はかないメロディーもいいのだけど、インプロを思わせる間奏の方がこのバンドの魅力なのだろう。だから飛ばさず1曲ずつ聴きたくなる。どこでどんな展開が待っているか分からないからだ。ノイズ寄りのアレンジは少ない。一音一音がクリアになっていて、心地いい。⑧もイントロから気持ちいい。

激しい曲はほとんどない。この時期のアルバムはそんな感じが多い。そういう意味では変わり映えがしないのだけど、いつも通りを期待するならいいアルバムだろう。⑪はかつてのダイアモンド・シーを連想させる。ヘッドホンで大きな音にして聴きたい。

【購入データ】購入店舗=伊勢佐木町。購入日=2019年7月。

くるり「魂のゆくえ」

2009年発売の8枚目。ボーナストラック三日月が入っているから初回限定盤なのかな。音楽雑誌スヌーザーでイケイケな発言をしていた印象が強い。その割りには音楽はストレート。いろんなことに挑戦しつつもそう感じさせないのがいいんだろう。

8枚目ともなるとすごく落ち着いている。①から演奏のバランスがいい。②愉快なピーナッツはシングル曲だというのだが、メロディーが歌いにくそうだ。日本語ロックを追及している感がある。はっぴいえんどを思い起こさずにはいられない。上を向いて歩こうみたいなのもあるな。

⑦さよならリグレットを聴いていると、本当に演奏とアレンジは落ち着いていていいな。このアルバムを貫く特徴でもある。⑪のタイトル曲が確かに一番力入っているかも。若干やりすぎのような気もするが、それくらいでちょうどいい伝わり方なのかも。

ボートラの三日月はいい曲。こういう曲がくるりには似合う。

【購入データ】購入店舗=吉祥寺。購入日=2019年5月。

ジャック・ホワイト「LAZARETTO」

ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトのソロアルバム。2014年発売のセカンドアルバムだ。

ブルースのイメージはあったから、そんなアルバムだろうと思っていたら、やっぱりとってもブルースだ。ただ、なんといか現代的な感じがする。過去のブルースをコピーしているんじゃない。今のブルースを独自にやっている。

音が耳に馴染むというか、うるさくない。でかい音を鳴らしているんだから耳障りなところがあってもいいのに、ない。すごく丁寧に録音されているんだろう。

⑥just one drinkの牧歌的だけど気だるい感じが好き。⑦alone in my homeもおすすめできる。明るいcold brains(byベック)みたいだ。

買って損したとは思わない1枚。繰り返し聴くとよりよくなっていきそうな期待がある。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年6月。

ダフトパンク「ホームワーク」

1997年発売のデビューアルバム。輸入盤。2007年に再発しているみたいだけど、これは旧盤じゃないかな。

①で世界観に引き込まれる。何曲か聴き進めていると単調に思えてくるかもしれない。⑤は後のワンモアタイムをちょっとだけ思わせる。⑦ははるか未来のゲット・ラッキーっぽくもある…気がしないでもない。

古いCDだけど音質に問題があるとは感じない。こもってるところはない。有名な「ディスカバリー」に比べると、より純粋なハウスミュージックといえるんじゃないか。聴きやすさでは劣るけれども、好きな人にはすごく満足できそうな濃い1枚だ。

【購入データ】購入店舗=荻窪。購入日=2019年5月。

4hero「play with the changes」

イギリスのバンドでドラムンベースの印象が強い。これは2007年発売の9枚目。1曲目からドラムンベースとは違うソウルフルな曲でびっくりした。

所持している「two pages」は1998年。10年近く経っているわけで音楽性の変化もそりゃああるだろう。今作はかなり歌モノというかポップスというか。クオリティは高いと思うが、求めていたものとは違った。

③look insideは疾走感のあるオープニングでドライブに合いそうだ。⑦something in the wayはベースが心地いい。⑨the awakeningはかつての面影を感じられる。⑩sophiaはインスト曲で安心して聴ける。

特別な1曲はなかったかなあ。

【購入データ】購入店舗=荻窪。購入日=2019年6月。まったく見かけないわけではない。

パールジャム「ノーコード」

1996年発売。輸入盤。バンドとして4枚目に当たる。いわずと知れたアメリカのオルタナティブロックバンド。アメリカではすごい人気なんだとか。日本でも人気なのだが、どうしてもニルヴァーナと比べられてしまうところがある。ニルヴァーナがパールジャム批判をしていたから、いや、細かい内容は知らないが、そういうこともあってパールジャムは全然聴いてこなかった。

静かな始まりの①。思っていたよりいいではないか。ギターの感触はグランジじゃなくてハードロックだね。③もミディアムテンポの曲なんだけど、アメリカ的な広大さを感じる。間口の広さというか。今ならヒップホップが若者の主流だけど、かつてはロック、特にハードロックだったんだなあとこの曲を聴きながら改めて思う。

もっともこのアルバムは渋すぎるかもしれない。⑥なんて哀愁漂う歌モノだ。⑦は激しいサウンドだけど、このバンドは憂いがあるね。即効性のある曲たちじゃないけど、繰り返し聴きたくなるかも。バンドを代表するアルバムじゃないかもしれないけど、一番聴く機会が多いみたいな。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年2月。

the stooges「the weirdness」

2007年発売。1973年のロウパワー以来のオリジナルアルバムに当たる。いわずと知れたイギー・ポップ率いるバンドである。1970年前後に活躍。2000年代に入って再結成していた。

正直、こういう枯れちゃったオジサンバンドの再結成にはいいイメージがない。ずっと続けているならともかく、バンドとしての活動は完全になかったのだ。いきなり集まったところでいい曲もいい音もないだろうと、期待できないだろうと思うのは仕方ない。

期待せずに聴くと、まあボチボチである。とんでもなくかっこいいわけじゃない。だけど枯れているとも思わない。②は好き。⑤の渋い入りもいい。⑥で感じたが、シリアスな曲よりも明るい曲調の方がこの当時のバンドには合っていたのかな。

プロデュースはスティーブ・アルビニ。ドラムの音にそれを感じる。

意外にも聴いて満足感がある。280円ならまあいいやと思えるはずだ。

【購入データ】購入店舗=伊勢佐木町。購入日=2019年7月。あまり見かけない印象。

モーサムトーンベンダー「echo」

2001年発売。3枚目。7曲入りでライブテイクもある。録音状態はいい。

6枚目のトリガーハッピーは新品で買った記憶があり、かなり実験的な音楽だったと思う。この3枚目に関してはグランジを思わせる歪んだギターが印象的。勢いで突っ走るというところは感じなくて、リズムをしっかり刻んでいる。

④のようなミディアムテンポもずっしりとしたリズム隊で安定している。福岡で結成されたバンドで、ナンバーガールもそうだけど、歪んだギターは福岡ではやっていたんだろうか。たまにこういうギャンギャンしたギターを聴きたくなる。

歌詞は全然聴いていない。

【購入データ】購入店舗=吉祥寺。購入日=2019年4月。