ザ・メトロス「ザ・メトロス参上!」

ロッキンオンが好きそうなバンド。というか解説・粉川しのとあるのを見る限り好きなんだろう。2008年発売の日本特別企画盤。

ゴキゲンでちょっと悪くてバカ。そんな楽しいロックンロールだ。③ガブリエルのギターのゆがみ具合がいい。

ルックスも悪くないし音楽もいいし、でもそんなに売れていないイメージがある。調べるともう解散したらしい。たった3、4年の活動期間だった。ウィキペディアを見ると恵まれた生まれみたいで、バンドにこだわる理由もなさそう。それと同時にロッキンオンの神通力もまったくなくなったということでもありそうか。かつてはロッキンオンで推せば多少は売れる傾向にあった。でももう無理だろうね。雑誌が仕掛けるなんて今じゃ考えにくくなってしまった。

全5曲約15分をロッキンオンのことに少し頭をめぐらせてみたよ。

【購入データ】購入店舗=駒沢大学駅前店。購入日=2018年12月。

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン「バトル・オブ・ロサンゼルス」

1999年発売のサードアルバム。全13曲で日本盤なので最後の1曲がボーナストラック。ラップメタルというジャンルでたくさんのフォロワーを生んだモンスターバンド。似たものを全部レイジ・チルドレンと言っていいのかは分からないけど、レイジ的な音を出すバンドはすごく多い。

どれもパワーにあふれている。政治的な主張があるバンドで、そのメッセージを音楽に乗せるという明確な意志があるから、迷いなくぶれることがないのだろう。だから、音がパワーにあふれている。硬質なギターリフが力ずくで体を揺り動かしてくるような衝撃を持っている。アジるようなボーカルだがちゃんとメロディーがある。どれもいいが、②ゲリラ・ラジオ⑪アッシーズ・イン・ザ・フォールが好き。

もっともバンドにとって肝心の政治的メッセージをちゃんと受け止めている人がどれだけいるのだろうか。対訳を見てみたが、思った以上に直接的な歌詞だった。レイジの怒りは理不尽な体制や権力に向けられている。ラップメタルというジャンルへの影響力が政治的メッセージと共に浸透したのならば、もっと社会は変わっていていいのでは? しかし、現実はトランプ大統領を生んだわけだ。

このアルバムはもう20年も前のもの。今の時代にもレイジみたいな存在が必要だ。

【購入データ】購入店舗=福重店。購入日=2018年10月。

ザ・ビーチボーイズ「ザ・ビーチボーイズ・トゥデイ!」

1965年発売のタイトル。買ったのはもともと次のアルバム「サマーデイズ」と2枚一組で売られていたと思われる。それはパッケージをみると「サマーデイズ」の曲目もあるから。なので2枚CDがあるかと思ったら、1枚だった。その1枚に両方入っているというのでもなく、がっかり。

全12曲で約28分。ビートルズと比較されることが多いけど、改めて聴いてみるとビートルズにはないコーラスが彼ら独特のものだとはっきり分かった。ビートルズとは全然違う。ビーチボーイズはあくまで王道を貫こうとしているかのようだ。ビートルズも王道だけど、例えばトゥモロー・ネバー・ノウズが王道なのかというと違う。好んで大胆なことをやって、それをポップスとして昇華していた。また、ビーチボーイズは声をより大事にしているみたいだ。⑧アイム・ソー・ヤングを聴いてそう感じた。

アルバムは前半の方がテンポが良くて好き。後半の方がコーラスはきれいだと思う。

【購入データ】購入店舗=福重店。購入日=2018年5月

ザ・ロネッツ「プレゼンティング・ザ・ファビュラス・ロネッツ・フィーチャリング・ヴェロニカ」

ゲオのレンタル落ちCDをブログに上げたのだから、ツタヤのそれがいけない理由もないだろう。ということでツタヤへ。基本的に1枚300円でしたね。レンタル落ちとそうではない中古が混ざっていたけど、やはりブックオフ280円コーナーとは毛色が違う。ゲオとも違う。大きい店舗だったこともあり数が豊富で、ほかでは見ない品揃えだった。もっとも280円だと安く感じるが、300円だと高く感じてしまう。セールしてくれないものかね。

買ったのはビー・マイ・ベイビーで有名なザ・ロネッツの唯一のオリジナルアルバム。元は1964年発売。日本盤で帯付き。このCD自体は2015年発売で定価1000円。ライナーノーツはレコードのやつを復刻と新しく書き下ろしたものがあってしっかりしている。メンバーよりもプロデューサーのフィル・スペクターについて多く割かれているのは仕様がないことかもしれない。

全12曲。モノラル。ザ・ロネッツをこうしてちゃんと聴くのは初めてということもあり新鮮。ずっと前、イギリスのジョニーボーイというユニットのデビューアルバムを好きで聴いていたが、ロネッツ過ぎたんだな、あれは。

⑥ホワッド・アイ・セイがロックンロールしていていい。レイ・チャールズの曲。ライブ風になっているけど実際どうなんだろう(ライナーノーツのよると擬似ライブ)。⑦ビー・マイ・ベイビーは録音の感じすら違って聴こえる。⑧ユー・ベイビーもいいなあ。どの曲もいい。

ちなみにフィル・スペクターの現在を調べて驚いた。殺人罪で収監されているそうだ。びっくり。

【購入データ】購入店舗=ツタヤ天神店。購入日=2018年12月

サウス「フロム・ヒア・オン・イン」

2001年発売。日本盤、帯付き。イギリスの3人組バンドでこれが初アルバム。

何かに似てるよな~と思いながら聴き続けて、全18曲あるなかでようやく半分を過ぎたころに気がついた。ザ・フレーミング・リップスだと。②ペイント・ザ・サイレンスが歌モノとしては良曲。リップスに似ているというのは特にボーカルの声がそう。あと、ドラムも感じが似てないかな。

とはいってもやはりイギリスのバンド。音そのものはUKロック的。あとヒップホップの流れを汲んでもいる。

問題は全18曲という長さ。もっとコンパクトにまとめればもっと頻繁に聴く気になったのだが。1曲1曲のクオリティは高いのは間違いないけれど。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入ひ=2018年11月。

リーフ「ゲッタウェイ」

2000年発売。日本盤、帯付き。全13曲で最後の2曲がボーナストラック。イギリスのロックバンド。

ものすごい普通だ。ギターの音を中心にすえたロックンロールバンド。音がしっかりと塊になって、ズシンと耳に響いてくる。決して歪みすぎてない。沈み込んでいくこともない。さわやかさも感じる。明るく陽気なギターの音だ。⑤all i wantなんていい曲の典型的なもの。

もっとも普通といっても誰にでもできるものではないんだろう。演奏が安定しているので安心して聴ける。ただ、ほかのアルバムを聴きたい気も沸いて来ない。印象とは違ってアルバムごとに表情が変わったりするんだろうか。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年3月。

シュガー・レイ「レジャーでGO!」

2003年発売、日本盤、帯付き。このバンドはなぜか邦題で遊ばれている。夏のパーティーソング集団だというイメージだからなのか。まあそれはともかく確かに夏の印象。とはいえ酒を飲んでアゲアゲで~みたいなパーティーピーポーとも違いそう。より知的だと思うのだが。

シュガーレイの思いでは2003年のフジロック。確か日中のグリーンステージ、一番大きなステージだったはず。どうにも盛り上がりに欠ける、中だるみの時間帯にシュガーレイが登場して、なんとか観客を盛り上げようとしていた。そしてなんとそれに成功したのだ。かなり難しいことだったはずだが、メンバーたちも盛り上げ上手だった。当時、シュガーレイの曲は聴いたことがなかったし、どんなバンドかもしらなかったが、いい曲だと素直に思えた。CD買わなきゃと思ってから15年後に280円で買ったのは申し訳ないが、CDもよかった。

⑤ミスターバーテンダーがヒットシングル曲。ただこのアルバムを代表しているとは思わない。⑤はガチガチに作りこみ過ぎていて浮いている。③ヘブン、⑦フォトグラフ・オブ・ユーのようにリラックスした曲こそこのアルバムの印象にぴったりだ。

肩の力を抜いた音楽の必要性がわかる1枚だ。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年4月。

ザ・ピロウズ「オーパーツ」

2019年に結成30年を迎えるザ・ピロウズの16枚目のアルバム。2009年発売。初回限定盤でDVDがついてくる。your orderのビデオクリップで、ライブ映像ではないので探し回るほどのものではないだろう。

ハイブリットレインボウの辺りから知っているけど、全然変わらない。ストレートなロックンロール、といっても古き良きのではなく、90年代以降のオルタナティブロックの流れ。歌詞は中二的と言われたりもするが、それだけ誠実でもあるということだ。

①はマイフットとかグッドドリームスとかを思い出す。⑧の雨上がりに見た幻が熱量が一番こもっているのでハイライトになりそうだけど、⑥ビヨンド・ザ・ムーンが一番いい。音程の上がったり下がったりが気持ちいい。

ピロウズならどのアルバムがあっても買いだな。

【購入データ】購入店舗=福重店。購入日=2018年8月。

MXPX「ベスト・オブ・MXPX テン・イヤーズ・アンド・ランニング JAPAN EDIT」

メロコアバンドMXPXのベストアルバム。2002年発売の日本盤でパソコンで見られる映像も入っている。もともとの値段は2000円とかなり安い。

10代のころにテレビでプロモーションビデオを見て、グリーンデイみたいだなと思った記憶がある。こうしてベストアルバムを聴いてみると、グリーンデイよりも音が硬い気がする。バキバキしているというかメリハリがあるというか。グリーンデイでいうならニムロッド当たりかなあ。

過去の曲だけでなく、新曲もあるし、新録もある。ライナーノーツにはバンドによる曲の解説と、日本の思い出をつづった文章も載っている。日本での人気が高かったんだろうな。これを読んでいると、とにかく日本をほめていて、なんだかむずがゆくなる。

古い音源は⑤want adなど1994年のもの。⑤は曲展開にひねりがあって、若い頃から完成されていたことを感じさせる。歌詞はシリアスなものが多い印象。メロコア好きなら間違いない1枚。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年11月。

MEW「フレンジャーズ」

デンマークの4人組バンドで2003年発売のこのアルバムがデビューアルバムになる。日本盤でボーナストラックが2曲。帯にはアラン・マッギーのコメントが載っている。また帯には「巷にあふれるクローンのような没個性的バンドとは一線を画す創造性にあふれている」とも書いてある。聴く前からハードルを上げない方がいいと思うのだが…。

①アム・アイ・ライ?ノーは確かに創造性にあふれているといえるかもしれない。美しいギターに流れるような曲展開。ちょっとビックリした。②156も展開が聴き所でかっこいい。その後の曲も確かにクローンのようなバンドとは違うと思わせるものがある。ただ、若干の中だるみがある。⑤⑥⑦あたりがそうだ。

アラン・マッギーおすすめが⑩。ゆっくりと始まってドラマチックに展開していくUKロックらしい曲だ。

通して聴くと帯はちょっとおおげさだと思う。もちろんいいアルバムだとは思うけれど。

【購入データ】購入店舗=天神店。購入日=2018年3月。