ワールドオーダー「ワールドオーダー」

2010年発売。6曲入りのCDと3曲入りのDVDの二枚組。つい最近の参院選で当選した元格闘家の須藤元気氏のダンスグループで、海外でも人気がある。

始めてこのグループを知ったのは、ユーチューブだった。ロボットみたいなダンスでメンバーとの息もピッタリ。現代社会の、特に日本の都会に住んでいて、日々に追われて生気を失いがちになりながらも懸命に生きる人々を反映したような表現で衝撃を受けた。たくさんの動画がユーチューブにはあるから、全部見たね。

そういうわけで、絶対に映像で見た方がいい。正直CDだけを聴いていても魅力は全部伝わらない。音楽はエレクトロニカ。きっとマネしたくなるはず。

政治家になったことでこのグループの活動はなくなるのだろうか。それにしても須藤氏は人生においてやりたいことをやっているんだなあ。後悔なんてなさそうだ。

【購入データ】購入店舗=聖蹟桜ヶ丘。購入日=2019年7月。

RIZE「ROOKEY」

2000年発売のファーストアルバム。当時は3人組でボーカルのジェシーはギタリストチャーの息子。俳優の金子ノブアキがドラマー。のちにベースにkenkenが参加。

ミクスチャーまではいかず、ラップメタルほどでもない。この時期の流行の音楽だったのかな、これが。演奏は3人だけどハード。歌詞は日本のヒップホップらしく、親や友達に感謝して、新しい時代を作るという意気込みにあふれている。とにかく好青年なのだ。一見悪そうな奴なのに、びっくりするくらいのよさそうな奴というのは実にJ-ラップ的である。シングル曲になった④はその象徴。二十歳ぐらいだと思うけど、ここまで親や友達に感謝できるなんて、すごくすくすくのびのびと育ったんだと思う。

ただ、この無害さがいまいちノリ切れない理由かもしれない。

ちなみに、つい先日、ケンケンとジェシーが大麻で逮捕されたばかり。デビュー当時とはやる音楽も変わったのかな。少なくともこのアルバムはとってもストレートで酒もタバコもない感じ。ましてや大麻なんて。それくらい健全ロックだ。

【購入データ】購入店舗=聖蹟桜ヶ丘。購入日=2019年7月。

くず「くずアルバム」

バラエティ番組で誕生したユニットのアルバム。2003年発売。雨上がり決死隊の宮迫氏が引退をするということでその日に買ってきた。当時、番組は見ていたので曲には親しみがある。

①ムーンライトはシングル曲。アレンジが仰々しい。宮迫氏もドンドコドンのぐっさんも歌がうまいというイメージだったが、この曲を聴くとやり過ぎ感がある。このクセの強さはその後の曲でも続く。全体的には80年代をイメージしているのだろうか。チェッカーズかなと思うアレンジの曲もあった。

佐野元春が好きなので⑨虹がかかってたのミニコントは面白く聴いた。ただそれだけで、全体的には微妙なアルバムだった。どうしても歌のクセの強さに辟易する。自己陶酔を感じてしまうんだな。

⑩生きてることってすばらしいは今、宮迫氏は聴けないだろうな。

【購入データ】購入店舗=伊勢佐木町。購入日=2019年7月。

BATTLES「GLOSS DROP」

2011年発売のセカンドアルバム。日本盤で初回限定盤。ボートラ1曲付きの全13曲。

1stアルバムは新品で買ったほど、音楽メディアでは話題になっていた。歌モノは少なくてインストバンドに近い。1stの感想は、いいとは思うけどすぐお腹いっぱいになる。音やらリズムが詰め込んであるのだけど、炭酸飲料みたいで、アルバム1枚を聴き通すのが大変だった。

その詰め込み感はこの2枚目にもある。いくぶん聴きやすくなってる、ポップになってる気がしないでもない。③④⑤流れは好き。

どういう音楽と言ったらいいのか。一定のパターンを繰り返し、そこにいろんな音とリズムの要素が加わっていく。展開を楽しむのではなく、怒涛の音の洪水を楽しむ。インストといってもモグワイのようではなく、テクノっぽい。人力でテクノをやっている感じだ。

【購入データ】購入店舗=荻窪。購入日=2019年4月。

V.A.「THRILL FREAKS vol.1」

1995年発売。アメリカで作られたけど発売は日本っぽい。「paranoiz label compozila」が発売元の名前なのかな。

sympathy for the record industryという1988年に設立されたレーベルがアメリカにあって、そこからレコードを出しているバンドの曲が収録されているようだ。バンドは8組。曲は16。

パンクやガレージという感じ。バンドはアメリカだけじゃなくスペイン、オーストラリア、イギリスといろいろ。LA SECTAというスペインのバンドの曲がいい。ギターがギュンギュンしててベースも自己主張している。

ほかのバンドも思ってたよりいい。ただテンポが速くて音がデカイだけのロックになりがちな音楽性のなかで、どのバンドもきっちり演奏して世界観を作っている。american ruseというバンドはストゥージーズのようだ。サーチ・アンド・デストロイを思い出す。もっとも曲はジ・オンリー・ワンズのアナザーガール・アナザープラネットのカバーとパイプライン。激しいけどダレた演奏じゃない。

期待せずに買ったけどまあまあ良かった。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

ファンカデリック「music for your mother funkadelic 45s」

1992年発売。輸入盤。シングル集。二枚組で全33曲。1960年代末期に登場したファンクバンド。ジョージ・クリントンという人が中心人物。Pファンクを作った人だとか。

ディスク1の1曲目からヘビー。ファンクというと明るくノリのいい音楽というイメージだが、これはねちっこい。薄暗いところで踊っている感じだ。④の演奏がかっこいい。⑥はブルースだね。⑧の始めはワウギターというのかな。バンドサウンドのファンクが味わえる。

ディスク1は総じて重めのどっしりした曲が多い印象だ。じっくり聴くのに適している。

ディスク2はどうか。①はアップテンポでダンサブル。ラテンなエッセンスもある。③の演奏がかっこいい。ベースとドラムがいい。⑧あたりはファンクのイメージに近い。

ディスク2は明るい雰囲気。とっつきやすいのはこっちかも。だけどヘビーな1枚目も捨てがたい。クセになりそう。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

クリニック「INTERNAL WRANGLER」

2001年発売。日本盤。イギリスはリヴァプールのバンド。レディオヘッドの前座を務めたことがあったはず。ニューウェイブのイメージが強い。

当時、ガレージロックリバイバルの最中だったとは思うが、このバンドはそんなにガレージしていない。ただ、インディー色が強い。そこまで実験的とは思わないが、いろいろやりつつも歌モノに落とし込んでいるのはこだわりを感じる。⑦は童謡みたいでおもしろい。⑨はレディオヘッドのイン・レインボウズの中にありそうな曲。そういう意味では時代を先取りしていたのかもしれない。

ボーカルの歌い方にトム・ヨークっぽいところがあって、それがレディオヘッドに気に入られた要因なんだろうか。繰り返し聴くと味が出てくるスルメタイプのアルバムだ。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

THE BAWDIES「JUST BE COOL」

2010年発売。シングルだけどカップリングがシェルターでのライブを収録していてお得感がある、ミュージックビデオの入ったDVDもついてくる。これで280円なら安いでしょう。ライブ音源は9曲入り。DVD付きは2万枚限定だとか。

日本のバンドだけど、歌詞は英語。50年代60年代みたいなロックンロールがベースにあるイメージでいいと思う。

メインはライブ録音じゃなかろうか。1曲ではなく30分くらい入っている。頭出しはできない。ボーカルの声はかなりのダミ声。90年代にはやったメロコア勢に比べると英語の発音はまだましなんじゃないか。MCが普通に日本語なのは気になるところ。なんで英語詩なんだろう。

ごきげんなロックンロールばかり。安易に切ない系のバラードに流れないのは日本ではめずらしいバンドじゃないか。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年11月。

G.love and special sauce「yeah,its that easy」

1997年発売。輸入盤。3枚目。

初めてGラブを聴いたのだけど、すぐにハマってしまった。ほかにもいろいろアルバムを買ってしまうほどで、一部同じのを買ってしまう失態まで犯してしまった。280円とはいえショック。それくらい気に入ったわけだ。

ブルースかなあと勝手にイメージを持っていたけどこれはルーザーを歌ってたころのベックじゃないか。ということはヒップホップが根底にあるんだな。ヒップホップでありながらブルージーなのだ。

サーフミュージックとカテゴライズされるけど、それらよりも泥臭さがある。というのもGラブの歌い方が男の情けなさを表現しているかのようだからだ。小奇麗な感じがしない。①②③といい流れでアルバムに入っていける。

演奏がタイト。ドラムが軽めの音で的確に叩くのがいい。そしてベースの細かい動き。それぞれの楽器が絡み合って聴きほれる。

全13曲なんだけど、さすがに1本調子すぎないかとも感じる。好きだからいいけど。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。