V.A.「THRILL FREAKS vol.1」

1995年発売。アメリカで作られたけど発売は日本っぽい。「paranoiz label compozila」が発売元の名前なのかな。

sympathy for the record industryという1988年に設立されたレーベルがアメリカにあって、そこからレコードを出しているバンドの曲が収録されているようだ。バンドは8組。曲は16。

パンクやガレージという感じ。バンドはアメリカだけじゃなくスペイン、オーストラリア、イギリスといろいろ。LA SECTAというスペインのバンドの曲がいい。ギターがギュンギュンしててベースも自己主張している。

ほかのバンドも思ってたよりいい。ただテンポが速くて音がデカイだけのロックになりがちな音楽性のなかで、どのバンドもきっちり演奏して世界観を作っている。american ruseというバンドはストゥージーズのようだ。サーチ・アンド・デストロイを思い出す。もっとも曲はジ・オンリー・ワンズのアナザーガール・アナザープラネットのカバーとパイプライン。激しいけどダレた演奏じゃない。

期待せずに買ったけどまあまあ良かった。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

ファンカデリック「music for your mother funkadelic 45s」

1992年発売。輸入盤。シングル集。二枚組で全33曲。1960年代末期に登場したファンクバンド。ジョージ・クリントンという人が中心人物。Pファンクを作った人だとか。

ディスク1の1曲目からヘビー。ファンクというと明るくノリのいい音楽というイメージだが、これはねちっこい。薄暗いところで踊っている感じだ。④の演奏がかっこいい。⑥はブルースだね。⑧の始めはワウギターというのかな。バンドサウンドのファンクが味わえる。

ディスク1は総じて重めのどっしりした曲が多い印象だ。じっくり聴くのに適している。

ディスク2はどうか。①はアップテンポでダンサブル。ラテンなエッセンスもある。③の演奏がかっこいい。ベースとドラムがいい。⑧あたりはファンクのイメージに近い。

ディスク2は明るい雰囲気。とっつきやすいのはこっちかも。だけどヘビーな1枚目も捨てがたい。クセになりそう。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

クリニック「INTERNAL WRANGLER」

2001年発売。日本盤。イギリスはリヴァプールのバンド。レディオヘッドの前座を務めたことがあったはず。ニューウェイブのイメージが強い。

当時、ガレージロックリバイバルの最中だったとは思うが、このバンドはそんなにガレージしていない。ただ、インディー色が強い。そこまで実験的とは思わないが、いろいろやりつつも歌モノに落とし込んでいるのはこだわりを感じる。⑦は童謡みたいでおもしろい。⑨はレディオヘッドのイン・レインボウズの中にありそうな曲。そういう意味では時代を先取りしていたのかもしれない。

ボーカルの歌い方にトム・ヨークっぽいところがあって、それがレディオヘッドに気に入られた要因なんだろうか。繰り返し聴くと味が出てくるスルメタイプのアルバムだ。

【購入データ】購入店舗=浜田山。購入日=2019年5月。

THE BAWDIES「JUST BE COOL」

2010年発売。シングルだけどカップリングがシェルターでのライブを収録していてお得感がある、ミュージックビデオの入ったDVDもついてくる。これで280円なら安いでしょう。ライブ音源は9曲入り。DVD付きは2万枚限定だとか。

日本のバンドだけど、歌詞は英語。50年代60年代みたいなロックンロールがベースにあるイメージでいいと思う。

メインはライブ録音じゃなかろうか。1曲ではなく30分くらい入っている。頭出しはできない。ボーカルの声はかなりのダミ声。90年代にはやったメロコア勢に比べると英語の発音はまだましなんじゃないか。MCが普通に日本語なのは気になるところ。なんで英語詩なんだろう。

ごきげんなロックンロールばかり。安易に切ない系のバラードに流れないのは日本ではめずらしいバンドじゃないか。

【購入データ】購入店舗=六本松。購入日=2018年11月。

G.love and special sauce「yeah,its that easy」

1997年発売。輸入盤。3枚目。

初めてGラブを聴いたのだけど、すぐにハマってしまった。ほかにもいろいろアルバムを買ってしまうほどで、一部同じのを買ってしまう失態まで犯してしまった。280円とはいえショック。それくらい気に入ったわけだ。

ブルースかなあと勝手にイメージを持っていたけどこれはルーザーを歌ってたころのベックじゃないか。ということはヒップホップが根底にあるんだな。ヒップホップでありながらブルージーなのだ。

サーフミュージックとカテゴライズされるけど、それらよりも泥臭さがある。というのもGラブの歌い方が男の情けなさを表現しているかのようだからだ。小奇麗な感じがしない。①②③といい流れでアルバムに入っていける。

演奏がタイト。ドラムが軽めの音で的確に叩くのがいい。そしてベースの細かい動き。それぞれの楽器が絡み合って聴きほれる。

全13曲なんだけど、さすがに1本調子すぎないかとも感じる。好きだからいいけど。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

プリンス「come」

1994年発売、輸入盤。全10曲。①comeは11分の大作ながら、長くて苦痛ということはない。プリンスだからやはり「イク」という意味なんだろうか。女性コーラスのカム!が癖になりそう。

音はジャズ的でありヒップホップ的でありブルースもありという感じ。ごった煮だが、ゆっくりと体を動かしてノるタイプ。③pheromoneは良曲。④loose!はダンサブル。⑩orgasmは完全にアエギ声。家族のいるとろこでは聴けないかもしれない。

このアルバムは単語のタイトルがほとんどで、そういうコンセプトだったのか曲も聴きやすい。プリンスを聴かず嫌いしている人でも聴けそう。全体のトーンにも統一感がある。

【購入データ】購入店舗=門前仲町店。購入日=2019年4月。あまり見かけないけど、店によっては280円コーナーにプリンスの枠があることもある。

ブロック・パーティー「サイレント・アラーム」

2005年発売のデビューアルバム。日本盤。イギリスのバンド。ザ・ストロークス以降のガレージ・リバイバルの中のひとつというイメージ。もっとも音はガレージバンドじゃなくて、フランツフェルディナンドみたいな踊れるタイプ。

性急なドラムが魅力的。ニューウェイブなところがあって実験的なものもある。③はそんな感じ。⑥まで実験が続く感じ。⑦でポップスに戻ってくる。⑩はギターのきれいな曲。①②の印象で最後まで聴くとちょっと違うなと思うかもしれない。

もう14年前のアルバムだけど、ここからニューウェーブの方向へ行ったのか、美メロのギターロックに行ったのか気になるところ。ニューウェーブじゃないほうがいいと思うんだがな。そっち方向には振り切れないと思う。

ボーナストラック⑮はモグワイミックス。ぽさはあるかな。⑯のあとにシークレットトラック。寒い冬。雪のイメージ。このバンドのギターのキラキラ感は雪なんだ。そんなことを感じさせるインスト曲だった。

【購入データ】購入店舗=天神。購入日=2019年3月。

the john butler trio「sunrise over sea」

2004年発売。オーストラリアのバンドでこれは全豪1位になったのだとか。これは輸入盤。

ブルースな曲からスタート。ジャムバンドということでスタジオアルバムよりライブ盤の方がいいのだろうけど、まずはこれから。正直、買ってきてすぐ聴いたときは「なんじゃこりゃ」と思った。野暮ったく聴こえたというか、ブルースを主体にいろんな音楽を取り入れてみました感があったからだ。つまり、そのまんま過ぎて単調単純に思えたわけだ。

数か月ぶりに聴いてみると、結構よかった。ジャムバンドらしさを感じる①、しっとり聴かせる②、③は若干地味に聴こえる。ただ、その後聴き続けていくと似たような曲が多いなあと思わざるを得ない。⑩はほかの曲と違ってロック色強め。⑫の独特なリズム感は好き。

全14曲。これだというパンチ力はないかなあ。

【購入データ】購入店=天神店。購入日=2018年2月。

ピーター・トッシュ「legalize it」

オリジナルは1976年発売。ジャマイカのミュージシャンでレゲエ。もうジャケットを見ればよく分かる。大麻とおぼしき植物に囲まれて、煙を吹かしているのだ。で、①legalize itは大麻を解禁しろみたいな意味。

ボブ・マーリーと一緒にウェイラーズというバンドをやっていた。このソロ作はボブ・マーリーよりもどっぷりレゲエという感じ。ジャマイカがどんなところは知らないが、とても暑いビーチでふわふわと浮遊感を感じているような音楽だ。

輸入盤でかなり古いCDだと思うけど、音質に問題はない。

⑤why must i cryがすてきな曲。演奏が気分を高揚させてくれるようで聴き応えがある。⑦ketchy shubyはかわいいメロディー。⑧till your well runs dryはポップスのような始まりからレゲエに展開する。最初はちょっとビックリした。

元KAT―TUNが大麻で逮捕された事件以外にも実は大麻をめぐる事件は日々多い。むしろ最近増えているんじゃないかってくらい。同時に大麻解禁論者の声も大きくなってきたような気がする。この音楽も大麻と密接な関係にあるんだろう。大麻がなくてもすごくいいアルバムだと思うけどね。

【購入データ】購入店舗=荻窪店。購入日=2019年5月。

フリート・フォクシーズ「ヘルプレスネス・ブルーズ」

2011年発売。日本盤。シアトル出身の6人組で2006年にバンド結成。ジャケットから60年代の空気が漂っているが、音もそう。なんかスイスの山小屋で鳴らしているような牧歌的なところがある。ラブのようなところもあるが、サイケデリックというのでもない。

コーラスワークとか美しいが、メロディーにパンチがひとつ足りない。なんか健全というか健康的というか、牛乳が飲みたくなってくる音楽だ。

【購入データ】購入店舗=西新ゲオ。購入日=2018年12月。セールで350円が半額になったはず。